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番外編【諦めるか否か】大翔side 23
四ノ宮もくれるなら、って。
「つか、オレはもう、最初から全部あげてるようなものだったと思うけど」
そう言ってる間に、奏斗が、ふと表情を緩めてて。
オレも、微笑んでしまいながら、その唇にキスをした。
今度は、ちゃんと。
深く合わせて。思うまま、キスしていると。
「……っん……」
息苦しそうに、奏斗が、小さな声を漏らす。
少し離すと、ふ、と熱い吐息。
もう一瞬も待てないと思って、オレは、奏斗を抱き上げた。
「わ……」
オレの肩に触れて目を大きくしてる奏斗が可愛くて。
「シャワー、浴びよ」
そう言うと、奏斗は、今度は何も言わず、オレの首に腕を回して、ん、と返してくれた。
脱衣所につくと、キスしながら、奏斗の服を脱がせる。
何度も角度を変えて、より深く、合わさるところで、舌を絡めとる。
んん、と少し苦しそうだけど、嫌がってないのは分かる。
……今まで、抱いてた時とは違うことに気づいた。
奏斗は、訳が分からなくなるまでは、基本、抵抗しようとしてたのだと思う。オレとこんなことしてちゃだめだってずっと思ってたんだろうな……。前は、キスが離れると少し顔を退いたし、手で少し押されたり。そういう弱い抵抗が必ずあった気がする。そんなに抵抗が強くないのをいいことに、オレは、奏斗を快感で抑えつけて、抱いてたような。
――――オレとするのが、一番気持ちいいって思えばいいって、そう思ってたからやってたけど、今思うと、よく許してくれてたよな……。
「しの……み……ン……っ」
うなじに手を置いて、オレの方に押し付けるようにして、深くキスする。
逃げない。離れない。押し返そうとしない。
キスが苦しくても、離れず、オレの方に少し、来てくれる。
背中にしがみついてる手が、押し返すんじゃなくて、より密着しようとしてる、そんな動き。
――――……ああもう……。
気づいてるのかな、奏斗は。
……無意識っぽいから、気付いてないかな。
この、小さい変化。
オレが、どれだけ嬉しいか。
どれだけ、奏斗を愛しいって思うか。
気づいてないんだろうな。
「奏斗」
全部脱がせて、確かめるみたいに体に触れ行く。
恥ずかしそうに、瞳を開いて、少し眉を寄せてるけど。
やめてとは、言わない。やめてほしそうな顔も、しない。
「奏斗……」
名を呼びながら、唇を塞ぐ。
少し前に触れた時と、感じるところは変わらないけれど。
……反応が、全然、違うのが、愛おしくてたまんなくて。
早く奏斗ん中に入って、繋がって、全部オレのに、したいとか。
ヤバい熱で、頭ン中、おかしくなりそう。
「……ん、っんン……」
たくさん触れて、キスしてから、オレも自分の服を脱ぎ捨てた。
シャワーを出して、浴びながら、奏斗を引き寄せて抱き締めて、深くキスする。
「……ん、……ふっ……ぅ……」
鼻から抜けてくような、甘い、声。
……多分。オレに、ちゃんと甘えてくれるから、漏れてる、声。
気持ちよくて耐えられないから出してた声じゃなくて。
オレに、頼るみたいに、縋るみたいに、しがみついて。
漏れる声。
「……奏斗、かわいい」
可愛くて可愛くて。
……愛おしくて、死にそう。
そんな風に思って、もうこのまま、ここでシてしまおうかと思った瞬間。かくん、と奏斗の膝が抜けた。
とっさに抱き締めてから、あ、そっか、と気づく。
アルコール、まだ抜けてないのかと、我に返り、なんとかクールダウン。
「ベッドでシようね」
そう言うと、何だかうるうるした瞳で見つめられて、めちゃくちゃ可愛い。
奏斗も自分もざっと洗い終えバスルームを出ると、寝室のクーラーをつけにいく。戻ると、奏斗はなんだか、ポヤポヤとした顔で、オレを振り返った。オレの部屋着の上だけを着てる姿。
なんだか、急にまた、欲が沸きあがる。
オレの服の上だけ着て、そんな、ぼやんとした顔で、見上げてくるとか。はー。奏斗って、ほんと。……可愛すぎて、ヤバいな。
「奏斗、髪は乾かさなくていい?」
「ん」
頷きながら不思議そうな奏斗に。
「多分すぐ、めちゃくちゃ汗かくと思うからいいかなと思って」
そう言ったら、少しの間考えたらしく、多分意味が分かった瞬間、かぁっと赤くなった。
可愛すぎる。
こんなセリフで真っ赤とか。
「真っ赤なんだけど……」
オレがそう言うと。
「っなんでそんな想像しちゃうようなこと言うんだよ……っ」
ちょっと睨まれて文句を言われても、どうにも可愛くてしょうがなくて、その頬を両手で挟んで、引き寄せた。
(2024/4/29)
◇ ◇ ◇ ◇
大翔&奏斗可愛いなと思ってくれた方いらしたら→ リアクションぽちっとおねがいします♡
大翔側から書いてた方が、二人が可愛い気がしてます(*´艸`*)
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