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同級生 8

もう一度出会って、そしてまた彼は消えてしまって。 世界はさらに色を喪って。 耐え難い。 世界が遠い。 1人きりだ。 全てが遠い。 死ぬまでこの切り離されて、現実感のないまま生きていくのだろうか。 高い建物の屋上に行って、縁まであるいてみたら、簡単に飛び降りれることがわかって止めた。 また会えるかもしれないから。 それだけ。 それだけだった。 抱いて捕らわれ、抱かれて諦められなくなった。 さがす方法もない。 なら。 待つしかない。 待つ。 永遠に待つ。 もうそれしかなかった。 彼がいい。 他の誰でもなく彼がいい。 誰を抱いていても、誰に抱かれていても彼がいい。 この世界の狭間みたいな場所にいるのは彼と自分だけだから。 現実じゃない場所に。 二人きり。 淡々と毎日が過ぎた。 そして、ある日。 彼が来た。 会社に。 警備員達も為す術なく後ろからついて来ている。 彼を止めることが出来なかったのだ。 警察を呼べという声も。 でも手を差し伸べられたから、走った。 その手を掴まれた。 彼が笑った。 「迎えに来た」 頷いた。 そのまま連れ出された。 二人で走って逃げた。 この現実感のない世界から。 乗せられた車の後部座席には何故か頭を撃ち抜かれた死体が二体。 彼は機嫌が良かった。 「終わりまで一緒だ」 彼はキスしてくれた。 「行こうぜ、この世界にはお前とオレしかいないんだから」 その言葉の意味を理解できた。 彼だけが現実。 彼だけに色がある。 そして、彼にも自分はそうなんだと。 彼は笑って車を出す。 追われる。 色んなモノに。 彼はそれを気にしないだろう。 そして自分も。 どうでも良かった。 ただ彼といられるのなら。 「おちついたら、セックスしようぜ・・・沢山イかせてやるよ」 彼の言葉に喜んでしまう。 止まっていた世界か動きだす。 色があふれだす。 「愛してる」 そう言えば、彼は笑った。 「知ってる」と。 世界は今。 リアルになった。 おわり

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