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第14夜 ヘル教師山田先生

住宅街を奥に進むと、平凡な、どこにでもある小学校校舎が見える…… ここにクレカの毎月の請求金額が目ん玉飛び出る金額になり、クレカ破産寸前の教師がいた。 彼の名前は山田。 彼は常に、左手に包帯を巻き付け、グルグル巻きにしていた。 それ以外はどこもおかしなところなどない、よくいる成人男性そのものの外見なのだが…………。 放課後、C君は親友のN君に、人もまばらの教室の中で「C君、ちょっと一緒に来てくれないかな?」と声をかけられた。 他ならぬ仲良しの友達の頼みだ。 C君は無下にはしなかった。 呼び出された先は学校の裏庭にある体育用具室の中だった。 扉がゆっくり閉められた。 閉ざされた用具室の中。 「C君、頼みがあああるんだよ……」 「N、どうしたんだよ……顔色が悪いぞ……なんだか青ざめ……緑っぽいぞ………」 「僕さぁ……腕がこないだから変なんだよね………どこまでもどこまでも曲がって、伸びるんだよね………」 見ると腕が異常に、木の枝のように、曲がり折れながら、用具室の天井につくかというほど伸びていた。 「N…………!!」 「あぁぁぁぁぁあああ助けてくれCぃぃ!!おまえの中にこの腕を入れないと僕死んじゃうよおぉぉぉおおおお!!!!」 「ギャッ!!!ギャアアアアア!!!!!」 妖怪リスト ろくろ腕! 【緑の体をしていて、とても腕を長く伸ばせる。腕の関節が何本もある。多節棍のような腕をどこまでも伸ばせる。取り憑かれると腕が緑色に変貌し、ろくろ腕の腕と同化し、長い腕でお友達の同級生を何処までも堀り続けるようになってしまう!】 「目を覚ませ!!N!!!」 扉から明るい裏庭の光が一気に差し込んだ。 地獄の教師山田だ。妖気を察知し、素早く駆けつけたのだ。 裸のCは山田の顔を救いを求める目で涙の光を目一杯に溜め見上げた。 同じく裸のNに向かって、山田は見据えながら黙って包帯を取る……。 教師の目には大事な生徒達に危害を加えられた怒気が宿っている。 「デモンリー・ハンズ!」 《中略》 Nの体から離れたろくろ腕はのたうち回った。 「オマエッ!ニンゲンカ!!ニンゲンジャナイダロウッッッ!??ギャギャッ!!何者ダッッッ!!!」 「俺か……?……フフ、俺は彼女のいない、ただの独身教師さ………!」 【※緊急募集!!!※誰か山田先生に彼女になってくれそうな素敵な女性を紹介してあげてください!!!!】 《中略》 日の光に晒されたろくろ腕は、太陽の裁きを受け、苦しみの断末魔を上げながら消失した……。 また今日も、山田の活躍により、魔物の淫らな悪害は未遂で終わったのだ。 山田は裸のCとNの肩を掴み、自分の両脇に抱き寄せながら、眩しい昼の光の中誓った。 こいつらに危害が加えられるなら、俺は自分の身を滅ぼしてでも……何度でも、立ち向かってやるさ………! 【※懲戒免職警報!!!※この場面を他の同僚教師に絶対目撃されないようにして下さい!!!!】 ヘル教師山田先生2 終

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