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その後も他愛ないお喋りをして僕達は食堂を出た。
しかし部屋に戻る道中、ケーキ君はチラチラと僕のことを何故か見てくる。目を合わせようとするとサッと顔を逸らし何事も無かったように歩くのだ。
.......居心地悪い。
「あの、僕の顔になにかついてますか?さっきからチラチラと見るのはなんでですか?」
「あー....バレてたか」
なぜバレないと思ったのか問い詰めたい。あんなあからさまに見といてバレないと思っていたケーキ君は意外ポンコツなのかもしれないな。
「燈弥って見た目陰キャそうじゃん?部屋で会った時こいつとは合わねぇだろうなって思ってたんだけど、話してみると案外話易いし......」
「....」
「....」
「.....その先はなんですか?それでチラチラ見てきた理由は?」
「いや、俺の持論なんだけどよ。陰キャの見た目しってけど本当は全然陰キャじゃねぇんじゃないかって.....」
「つまり?」
「その瓶底メガネの下の顔が気になる!」
ほぉ、このメガネの下は陽キャのような顔であると思っているのか。....まず陽キャの顔ってどういうのなんだろう?派手顔ってことかな?
「見せてくれ!」
「いいですよ」
「そこをなんとか....え?いいのか!?」
「はい」
僕はメガネをひょいと外す。パラパラと前髪が目にかかるため、あまり外したくないけど......まぁケーキ君の好奇心を満たすことができるならいいや。
「どうですか?」
「......平凡」
「そうです。僕は平凡顔なんですよ。中身と見た目が合わないことって結構ありますから....」
「うーん、俺の予想では燈弥のメガネの下は超絶美形だと思ったんだが外れたか。造形は綺麗なのになんでこんな平凡顔なんだ.....惜しい」
「やはりαはデリカシーがないですね」
「いでっ!?」
肩をド突き、ケーキ君をメガネ越しに冷ややかに見つめた。
しかし僕は内心ガッツポーズをする。時間がある時しか出来ないが僕の平凡顔メークはバレなかったようだ。自分の顔が整っていることは知っているため、ちゃんと対策を練っている僕は偉い。瓶底メガネと平凡顔メークの二段構え!!
その分、風呂上がりとか朝が大変なんだけど.....。
最悪この瓶底メガネだけかけてればいけるだろうとは思うが、念には念を入れたい。
「さ、行きますよ」
「意外とSだった.....」
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