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第27話

「ーーーーーーーっーーーーーーぁ!!!!」 「ーーー!!!!!ーーーーっーー!!」 痛い・・・頭が痛い・・・ 「ふざけるな!!」 なんか喧嘩してる・・・? グワングワンズキンズキンする頭が煩わしく、目を開けるのが億劫になる。でも・・・多分あの時後ろから襲われたんだよな・・・やばい状況・・・せめて敵が誰なのか確認しないと・・・ ゆっくり少しだけ、気付かれない程度に目を開けて周りを見る、けど明るさに慣れてないので、視界がぼやける。 感覚的には椅子に後ろ手で拘束されてる状態みたいだ。手首を動かしてみたけど、少しの緩みもなく、ギッチギチに縛られている。 徐々に視界が良くなってくると、そこにいたのは一人の女と二人の男だった。 女の人の顔は見えない。けどスラッとしたドレスを着ているのは見える。隣の男の人は部下なのか、ボディガードなのか、女性の斜め前に立っていて、向かい合っている男の人に対して、警戒をしているみたいだ。 「約束と違うだろ」 「あんな危険なところからちゃんと生きて連れてきたんだから文句ないでしょ?」 「俺は傷ひとつつけずにと言ったはずだ」 「無理よ、あと数秒遅かったら連れてこられなかったのよ?それぐらい大目に見てくれたっていいじゃない」 「・・・・・・・・・」 「次はだんまり?あんた本当に噂通りの人物なのかしら。些か疑問に思えてきたわ」 「お嬢、これ以上の長居は危険かと」 「まぁいいわ。ちゃんとあんたの要望通り連れてきたんだから、この後沢山痛ぶってこのクソみたいに邪魔なこの子を壊しなさい。それから痕跡なく処分して。二度と私の前に現れることないように」 「・・・・・・あぁ・・・・・・」 「お金はそこのボストンバックに入ってるわ。今後ともいい関係を築いていきたいわ。次に依頼することがあったら、その時はよろしくね」 ひらひらと手を振りながら女と男は去って行った。 残った男の方が何かをブツブツと呟いている。でも声が小さすぎてなんて言ってるか音を拾えない。 男は急に振り向いた。 やばい、慌てて目に力を入れないように、あくまでも気絶しているように、目を閉じた。 「・・・起きたんだな・・・」 やばい、バレてる。 「まだ起きるには早い。さっさと寝ろ」 え? 気づけば首元にチクっとした痛みの後、すぐに眠気が襲ってきて意識が途絶えた。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 身体が熱い。 苦しい。 嫌だ。 誰か助けて。 嫌だ。 「っ・・・はぁっ・・・はぁ・・・はぁ」 ここどこ・・・?何も見えない。何か目隠しされてる気がする。熱い・・・身体がおかしい。 「熱い・・・嫌だ・・・誰か・・・誰かいますか」 両手を上に上げた状態で縛られてる。柔らかいから多分ベットの上・・・足は? ガチャガチャッ 両足開いた状態で拘束されてる。 服・・・は着てないな・・・あぁ・・・熱い・・・なんか薬でも打たれたかな・・・ コトン 急に自分の右側に音がして反射的にビクッとしてしまった。 「だ・・・誰ですか・・・」 「・・・・・・・・・」 「僕を殺せと命じられた人ですか」 「・・・・・・・・・」 返事が返ってこない。 「身体が・・・熱い・・・何か薬でも・・・打ったんですか?」 「・・・・・・・・・」 ジワジワと思考が熱に侵食されるようにボヤけてくる。でも必死に舌を噛んで痛みを感じながらどうにか言葉を発する。 「どう・・・僕を・・・痛めつけるんですか?」 「・・・・・・・・・」 「はぁ・・・っ・・・これ外してくださいっ」 ガチャガチャガチャッ  抵抗虚しく鎖の音がするだけ。 なんでこの男はなんも言ってくれないんだ・・・ 「僕を殺したところで・・・あの人にとって・・・痛くも痒くもない・・・ですよっ・・・だって・・・まだ・・・出会って数週間も・・・経ってない・・・ですよ?」 「それでも殺すん・・・ですか?何が目的・・・ですか・・・情報?それとも・・・僕が目障り?・・・はぁっ・・・・・・」 「・・・・・・・・・」 「そこに突っ立った・・・まんま・・・ですか。返事・・・してくれないんですか・・・もういいです・・・早く・・・終わらせてください・・・っ・・・」 「・・・・・・・・・」 ギシッ 男がどうやらベットに乗り上げてきたみたいだ。 あぁ、これで終わりなのか。 怖い・・・ グッと急に喉仏を抑えられる。 「っぁあっーッんぐ」 苦しい。 「お前は何か大きな勘違いをしている」 あ、この声あの時とおんなじ人だ。 「一つ目、そもそも、俺は右龍刃に興味はない。そして二つ目、俺はお前に『僕』なんて一人称を許可した覚えはない。次に自分のことを『僕』なんて呼んでみろ、言ったことを後悔させてやるからな」 は?僕?なにそれ。 「じゃぁ・・・」 「自分のことは『俺』って呼べ。それでだ、お前は何処まで奴に許した?」 「許したって・・・?」 「身体か?なんで奴に着いて行った。家に然るべき時まで大人しく過ごしていればよかったものの、なんで逃げ出した?怖くなったか?」 こいつ・・・家のことも知ってる?なんで? っていうか反応を見る限りターゲットは自分 「・・・・・・・・・」 「答える気がないか?じゃぁ、答えたくなるようにしようか」 男はそのまま指を後ろの蕾に突き立て、強引に入ってきた。 「い゛っ〜」 「思ったより解れてるな。昨日可愛がられてたか。こんなに身体にキスマークなんかつけさせて・・・やっぱり最後まで許したんだな・・・じゃぁ、遠慮は要らないな」 「まっ!」 待ってと言い終わる前に男は素早く自分の滾ったものを深々と遠慮なく自分に入り込んできた。 「い゛っぁっ!!!!」 今まで身体を蝕んでた熱も一瞬で何処かに飛んでいくほど、感じたことのない引き裂かれるような痛みに身体が強張る。

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