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第9話 まんまと餌付けされる俺

誰かにキスされた感触で目が覚めた。 「ん?」 「おはよう」 ヒィッ!寝覚めにイケメンの顔面アップは心臓に悪いからやめてくれよ! 「うわ、すいません」 俺はがばりと起き上がり上司の家で寝こけてしまったことを謝った。 やっべ、高そうなソファにヨダレ垂らさなくてよかったぁ。 「疲れてるのに買い物にまで連れ出したから眠かったんだろう。まだ寝てていいよ。晩飯作っちゃうから」 「す、すいません……」 結局逃げようか迷ってたけど眠ってしまってタイミングを逃した。 俺は仕方なく途中になっていた映画をまた続きから見始めた。 課長は手際良く野菜を切ったり炒めたりしつつ鼻歌混じりに料理している。 やれやれ……何が楽しいのやら…… そして映画が終わる頃、課長も夕飯の支度を終えた。 「さあ、食べよう」 「う……わ、なんすかこの豪華なテーブル。パーティー?」 「え?本当に褒め上手だなぁ。奏太に喜んで貰いたくてちょっと張り切っただけだよ。酒は?ワイン?ビール?」 「あ、じゃあビールで……」 いや待てまた飲んだらダメじゃね?でも、この肉を前にビール飲まないとかあり得ないだろ? スペアリブとサラダ、マリネ、スープ。それにこのいい匂いなのはガーリックライスか。 「じゃあ、乾杯」 「乾杯。課長って毎日こんな良いもの食べてるんすか?」 「え?いやぁ、1人だともっと簡単なものになっちゃうことが多いよ。パスタとサラダだけとかね」 それでも自炊してるだけすげー。 「土日は割と色々作ることが多いかな」 「へぇ……つーかこの肉すげー美味いです」 「よかった」 課長は心底嬉しそうな顔をしている。 「奏太は?料理しないの?」 「俺は全然出来ないですね。でも今時何でも売ってるんで困らないです」 「へえ、それでその身体保てるのすごいな。若さかなぁ」 急にやらしい目で見るのやめて!? 「やー……暁斗さんの方が断然いい身体じゃないすか」 「そう?褒められて嬉しいな。俺は食事に気を遣ってジムも行ってやっとこれだから。奏太は?ジムで鍛えてるの?」 「いえ、家で筋トレしてたらこんな感じです」 「そうか、やっぱり俺なんか天然の君には敵わないな」 いや無駄に良い顔やめて。 「ははは……」 そして俺はしっかり完食して酒も入って良い気になってしまっていた。 課長の餌付け怖い。 だって気づいたら俺、なぜか課長の腕の中でまったりテレビ観てるもんな。 なんかすっぽり収まってていい感じ?いやいや、なんだこの体勢? 「奏太抱き心地いいな。程よく締まっててちゃんと筋肉付いてて」 「いや~、抱っこするなら華奢な女の子のほうが良くないすか?」 「え?女の子?」 ……ん? 「え、あっ!あ、うそうそ冗談ですって!あははは~びっくりしました?」 やーっべあぶねぇ!女の子じゃねっつの。アイムゲイ、ゲイ、ゲイ。 「可愛いね。酔ってる?」 いや、今日はそれほど飲んでない……はず? 「奏太って皮膚薄いよね?血色良くなってる……」 頬にキスされる。 そのまま手が俺の着ている課長のカットソーの内側に入ってきて乳首を撫でられる。 「や、だめ……」 だから俺の声!?違うだろ?おい! でも課長の手技すごいんだよ。腹いっぱいで酒も飲んでいい気分だしもう、なんか課長の広い胸あったかくてさぁ…… 課長は股間もやわらかく揉んでくる。 「やだ、あっ……」 気持ちいい……もう昨日あれだけやったんだから、触られるくらいいっか~~ 「気持ちいいね。俺に身体預けて、何も考えなくていいんだよ奏太」 口にもキスされ、熱い舌がゆっくりと俺の口中を這う。 「ん……っ」 昨夜のようなガツガツしたセックスと違い、マッサージの延長みたいな触られ方で頭がぼーっとしてくる。 この人甘やかしのプロなん……? 今度女の子と付き合った時めっちゃ真似しよう。ーーーって俺には無理か? 課長がやるからいいのか。この、いつも厳しい男がしてくれるから…… 「ベッド行こうね」 「はい……」 この後めちゃくちゃセッ(以下略)

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