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17歳の夏2
「あら?カート早かったわね!どうしたの?濡れちゃって」
家に帰ると、いつもは夜勤で居ないはずのママが居た。
「転んでジュース溢しちゃって」
「そうなの?大丈夫?早目にシャワー浴びてきちゃいなさい!もう行くけど冷蔵庫に特製マフィンサンド入れておいたから食べね」
「ありがとうママ」
「ねぇ、カート。あんた虐められたりしてないわよね?ジュースで服が汚れたの初めてじゃないわよね?」
「何言ってんの、ママ!僕は虐められたりしないよ。友達だって沢山いる。今度の日曜日なんて友達と一緒にミュージカル観に行くんだよ?」
そんな約束なんて勿論無い。
「あー、、、そのブレン、、、ブレインと!友達の!」
ブレインなんて友達も居ない。
「、、、そう。なら良いけど。もし何かあったらママに報告しなさい!学校に乗り込んでやるから」
「はいはい、大丈夫だから、仕事行って」
ママは昼はウェイター、夜は医療機関の電話オペレーターの夜勤だ。
昼も夜も僕を大学に行かせる為に働いてくれてる。
これ以上、迷惑も心配も掛けれないよ。
「仕事頑張って」
「行ってくるわ、愛してる、ママの宝物よ」
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