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18話の夏13

「カート?」 「あ、ライアン」 「キックボクシングやるか?」 「き、今日はアレンに合気道の練習相手を頼まれてるから、また今度」 「、、、カート。お前、なんか俺を避けてないか?」 「え?そそそそんな」 実は避けてる。ライアンの事。 「いったいどうした?俺はお前に何かしたか?」 してない。してない。したのは僕。 ミストが見せた霧の中で1週間前、ライアンとキスした。 アレはミストが見せた幻だから、ライアン本人とはキスしてない。 してないけど。意識しちゃってドキドキするから避けまくってる。 「ライアンは何もしてない。悪いのは僕なんだ」 僕は慌ててライアンから離れようと背を向けたら手首を掴まれ引き留められた。 「何がどう悪いんだ?」 どうしよ。振り向けない。 「カート。こっち見て」 「やだ」 心臓がドキドキしてる。顔だって真っ赤な自覚ある。 「カート」 ゆっくり引き寄せられ、振り向かされた。 「お前、どうした?」 僕だって分からないよ。 なんでこんなにドキドキするのか。 「カート、おいで」 ライアンが僕の両頬を両手で包む。 顔がグッと近づいた。 キスされる?!

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