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18歳の夏18
ジリリリ
ジリリリ
夕方、ドアベルの音で目が覚めた。
うるさい。
ジリリリ
ジリリリ
「誰?」
ダルい身体を無理やり動かして玄関へ向かう。
ドアを小さく開けて覗くと外には花束を持ったブレインが立っていた。
「カート、本当にごめん、話を」
「聞きたく無い」
すぐドアを閉めようとすると足を挟んで妨害された。
「お願いだから聞いて」
「聞きたく無い」
彼が誰だとか、何で浮気したのかとか。
「浮気なんかじゃ無いから!説明させて」
「浮気じゃないなら何で裸でバスルームにいたの?何で僕を友達なんて言ったの?!
やっぱり聞きたく無い」
音信不通の1週間は彼と一緒だった?
彼とはいつから浮気してた?
いや、僕が浮気相手?
「聞いてお願い!!」
愛してるって言ったのは嘘?
「嫌だ!!」
「説明させて!!」
これ以上傷付けないで!
「やめてよ!!僕に魔法かけて無理やり聞かせるの?!」
「そんな、、、」
ブレインが辛そうな顔をした。
でも止まらない。ダメだと分かってるのに、制御出来ない。
「君の力を使えば僕なんて思い通りに出来るだろ!!君の言葉なんて信じられない!!」
ブレインに言っちゃダメだって分かってる。
でも止まらない。
僕は傷付いた。ブレインも傷付けてしまいたい!!
「もう、来ないで」
「カート、、、」
何か言いたそうなブレインを遮ってドアを閉めた。
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