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第74話 竜形 其の二★(※竜姦注意)

「ねぇ、りゅう……竜紅人(りゅこうと)。僕はあの頃から貴方のこと、好きで好きで堪らなかった。僕だけを見ててほしかった。それが恋心だって、自覚したのは随分後になってからだけど、好きを自覚したら止められなかった。竜形も人形(ひとがた)も僕にとっては、どっちも竜紅人だよ。ごめん、確かに寂しいっていう気持ちも残ってる。だけど僕が初めて貴方という存在を認識して、そして好きになったのは、竜形の時だから。だから……あ、でも、だから人形(ひとがた)が嫌いとかそうのじゃなくて、ぜ、全部! 全部好き、だから……!」  それは最後まで、言葉にすることは出来なかった。 「──!」  臀の双丘に挟み込まれ、先走りのもので、しとどに濡れていた香彩(かさい)の後蕾に、蒼竜はその大きく(えら)の張った亀頭をめり込ませたのだ。 「──……っ、ぁぁ、ああぁぁぁっ……!!」  そのまま猛った竜の楔を、一気に深い所まで貫かれて、香彩は悲鳴のような艶声を上げた。  視界に星が散る。  先走りの(ぬめ)りはあったが、ほとんど慣らしていない後蕾に、蒼竜の剛直を受け入れるのには無理があったのか。  半ば無理矢理に貫かれた痛みから、何とか逃れようと藻掻くが、背後から蒼竜に押さえ付けられた香彩の身体は、びくともしなかった。  ふるりと、香彩の身体が震える。  みっしりと胎内(なか)に埋め込まれているものの大きさを、まざまざと感じて、香彩の心は波立った。  まるでこのまま真っ二つに裂かれて、貪り喰われてしまうような恐怖と、蒼竜を咥え込み、己のものとする快感。本能ともいえる、相反するふたつの感情が、香彩を支配する。  それだけではない。  蒼竜の声が唸り声から吠える声へと変わる。  その思念も、竜紅人の叫びも、香彩の脳内を支配する。  かさい、すまない。  すきだ……かさい。  かさい……っ! 「あっ……」  胎内(なか)で蒼竜の先走りの粘液を感じれば、身体は熱くなり、痛みを伴っていた後孔は、やがて快感へと擦り変わる。  そうなればこの身体に覚えさせられた、蒼竜と交わるという禁断の愉悦に対する渇望は、本能的な恐怖を凌駕するほどに強く、そして激しかった。  逞しい逸物に腹の奥まで犯されて、蒼竜とはまだ二度目だというのに、確かに知る悦楽に、その場所が熱く疼き出す。慎ましやかな秘蕾が、かつて受け入れたことを思い出したかのように、やがてしどけなく開いていく。  そしてついにお強請(ねだ)りをするように蠢き始めた。    ああ、だめだ。  感じてしまった不安を。  貴方の姿がない寂しさを。  どうか貴方で埋めてほしい。  もっと深く、もっと奥へ。  埋めてほしい。  そんな香彩の感情を感じ取ったのか。   『蒼竜(これ)とはまだ二度目だというのに、いい締め付けだな……かさい』    声も出せない程の快感に身悶える香彩を、蒼竜が満足気に見下ろしている気がした。  おもむろに律動を開始する蒼竜に、香彩の身体が跳ね上がる。それを背後から竜体で軽く押さえ付ければ、快感を逃そうと香彩の背が弓のように反り返った。 「……やぁっ!んっ、はぁ……ああっ」  やがて二本の竜の楔が、容赦ない抽挿を繰り返す。  陰茎のひとつは香彩の陽物の裏筋をこれでもかと責め立て、もうひとつの陰茎は薄桃色に染まった花弁を、捲り上がるほどに責め立てる。その度に聞こえてくる、淫らな水音が堪らない。  蒼竜の動きに合わせて香彩が腰を動かし始めれば、ぐるぐると蒼竜が唸り声を上げる。  勢いを増した動きと、昂りを増した蒼竜の陰茎が更に深く後蕾を穿つようになると、まだ蒼竜のそれに慣れていなかったのか。限界まで開かされていた秘所は耐え切れずに、無惨にも紅い雫を滴らせた。 「──い……っ、あ、ああっんん!……や……ぁあぁぁ」   鈍い痛みが走る。  だが蒼竜に求められ、蒼竜をその胎内(なか)に捕らえているという充足感と独占欲、そして蒼竜から与えられる快楽に、香彩は溺れた。  やがて秘所を貫き、抉られる痛みは蒼竜の体液の効果によって、深い悦楽へと刷り変わる。   「あ、はっ、んんっ……りゅ……う、っ、いいっ! ん、もっと、おく……っ」 『……かさい……!』  脳内に聞こえる竜紅人の荒々しい息遣いに、否応無しに香彩の身体はその熱と昂りを増していく。  蒼竜が香彩の言葉に応えて、ぐっと大きく腰を使えば、蒼竜の亀頭は結腸の蕾へと辿り着いた。  ここへ蒼竜を迎え入れたのは、たったの一度だけ。  香彩の昂りに煽られるようにして、蒼竜の陰茎がその大きさを増していく。  はぁ……と、香彩は熱い息を吐いた。  大きく顋の張った亀頭は、ぬちゃりぬちゃりと卑猥な音を立てて、幾度も幾度も結腸の窄まりに接吻(くちづけ)を繰り返す。まるで結腸の蕾と陰茎の先端に、粘着質の糸を引いているかのようなその音は、香彩の耳を嫌でも刺激した。 「──あ……っ」   やがてそれは柔らかく口を開いていく。 「……っ、りゅう、りゅう……!」  香彩は何度も、竜紅人の名前を呼んだ。 「竜紅人……っ、好き……大好きだよ! 僕の竜。お願いっ……おね、がいだからっ……!」  どうかあの人に抱かれても、僕のこと嫌いにならないで……! 「────!」    これが答えだと言わんばかりに、ぐぽっ、と淫猥な音を立てて、蒼竜の亀頭が結腸の蕾に入り込んだ。  その大きさと衝撃に、声にならない悲鳴を上げて香彩が仰け反れば、陽物から放たれた華精が、白い飛沫となって蒼竜の陰茎を濡らす。と同時に裏筋を責めていた蒼竜の陰茎が、香彩の腹を白く汚しながら、精を滴らせた。  そして。  結腸の肉輪を越えて。  ぬっぽりと亀頭全体を潜り込ませた胎奥で、膨れ上がった蒼竜の陰茎もまた、弾けた熱い(ほとばし)りを、その最奥に注ぎ込んだのだ。

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