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夢中になって腰を動かしていると、茂が高志の名を呼ぶ小さな声が聞こえてくる。
「……藤代」
「ん?」
「……脱ぎたい」
「え?」
いったん動きを緩めて、よく聞こえるように顔を近付ける。
「これ、脱ぎたい」
茂が、自分の着ているTシャツを示してそう言う。
高志は腕をほどき、茂のたくし上げたTシャツをその首から抜いてやった。茂が高志のTシャツの裾も引っ張る。
「お前も」
「ちょっと待って」
繋がったままの下半身をなるべく動かさないようにしながら、高志は着ていたTシャツを脱いだ。それから再び茂の体に両手を回す。その手で何気なく茂の股間に触れると、そこは少しだけ立ち上がっているようだった。そのまま指で軽く握り、何回か扱く。
「――いい」
茂がその手を取り、再び自分の胸の辺りに持っていく。
「お前、動いて」
茂に促されるままに、高志は再び腰を動かし始めた。その背中に後ろから密着すると、じかに触れる茂の素肌からはしっとりと滑らかな温もりがダイレクトに伝わってくる。気付けばそのむき出しの肩に口付けていた。唇の隙間から少し舐めて、吸い付くようにして甘噛みする。知らぬ間に馴染んだ茂の肌の匂い。五感の全てで茂の体を堪能する。
――中が。茂の中が。熱い。力強くて柔らかい。茂の中。もっとこのまま。もっと。
「……気持ちいい?」
息を弾ませながらしばらく無心になって快感を追っていると、茂が囁くように聞いてきた。茂の息も軽く弾んでいる。無意識に閉じていた目を開けると、すぐそばに茂の頬が見える。
「――すげえいい」
吐息交じりのその答えに、茂が小さく頷く。
あらためて問うまでもなく、茂を抱き締めながら高志が息を乱していた様を、茂はその耳元でずっと聞いていただろう。さっき触れた茂の下半身の感触を思い出す。少し立ち上がっていただけの、まだ柔らかかった茂の欲望。
「……お前は?」
呟くようにそう問うと、「俺も気持ちいいよ」と答える。高志が再び茂の股間に手を伸ばすと、やはり茂は「いい」と言い、その手を自分の胸元に引き戻した。
「こうしてて」
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