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 そうやって高志の腕を大切そうに抱え込む茂が、高志を受け入れた部分で今どのように何を感じているのか、想像することは難しかった。言われるがまま、抽挿を再開する。すぐに抗いがたい快感が生まれ、そのまま欲に任せて体を動かし続ける。  茂が何かを求めているとすれば、それは高志と同じものではないのかもしれない。精を放つことにより得られる即物的な快感ではなく、もっと複雑で精神的な何か。  でも、こうやって後ろから高志の腕に抱き締められることを求め、肌と肌で触れ合うことを求めて、それを高志が叶えたら、それだけで本当に茂は充分に満たされるのだろうか。それは高志が肉体的に得る満足感と同等のものなのだろうか。自分が今まさに茂の中で味わっているこの気持ち良さと。  同じであるはずがない、と高志は思う。  自分の腕をその胸に抱えて離さない茂は、ただその温もりを得る為だけに、今もその体を高志に与えているのだろうか。  友達だった頃にずっと満たされなかった高志への思いを、おそらく茂はまだ忘れていない。だから茂はいつも、高志から求められることを喜ぶ。高志が茂の体で快感を得ることを喜ぶ。しかしそれは、まるで端からそこに茂自身の快感を求めていないかのように高志の目に映った。今はそれでいい。茂が望むなら、高志はいくらでもその唇に口付け、その体を抱き締めてやることができた。でも、もし茂がそれに慣れたら。この先二人の関係が継続して、茂の持つ高志への渇望がいずれ満たされることになったら、その時に茂はどうするのだろう。高志から与えられるものがもう何もなくなってしまったら。 ――熱から冷めたように、女のところに戻っていくのだろうか。 「……っ」  思わず力任せに茂を抱き締める。その突然の圧迫に、茂が短く息を詰める。高志は動く速度を落とし、茂の股間にまた手を伸ばした。 「お前も気持ち良くなれよ」  手で触れると、そこはさっきよりは硬さを増していた。手のひらで包み、こする。 「だから、気持ちいいって」 「じゃあイって」  そう言って、手を動かし続ける。高志の強い口調に、茂が少し迷う気配が伝わってきた。様子を窺うように、遠慮がちに問うてくる。 「……お前、もうイきそうなの?」 「え? いや、まだ」 「じゃあ、もう少し……お前がイくまででいいから」  茂が、動きを遮るように高志の手を握る。 「それまでこうしてたい」  そう言って、もう一度高志の腕を自分の胸へ引き寄せた。それは遠慮や譲歩ではなく本心のように聞こえ、高志はしばし逡巡した。  けれど、結局は茂の望むようにすることにした。その引き寄せられた手のひらを広げて茂の裸の胸にあてる。硬い平らな胸と、小さく触れる乳首。体温が高い。ゆっくりと動かしながら心臓の鼓動を探してみるが、上手く見つからない。再び後ろから自分の胸を茂の背中に密着させ、もう片方の手も腹部に回して、高志はその体をぎゅっと抱き締めた。

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