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第1話(5)

 これが彼女なら喜んでこの自分でするのとは全然違う気持ち良さを満喫したんだろうけど。  創介は幼なじみで、俺の大事な親友で……いつも憧れていたイケメンで、家事も完璧で、モテて彼女だって今まで何人居たんだってくらいのハイスペックな俺の目標。  大学県外に行くって聞いて「じゃあ、俺もそこにしよー」なんて離れたくなかったくらい一緒に居て楽しくて気の許せる存在。 「やっ……そ……すけ……離っ……」  必死に堪えていると涙が滲んできて、息もまともにできない。 「雄吾、掴まれ。もう辛いだろ?」  無意識に握っていたシーツから手を離されて創介に導かれるまましがみつく。 「……イケよ」  耳元で甘く囁かれると、もう頭の中も真っ白になって俺は快感の波にのまれた。  脱力して創介の肩にもたれかかって乱れた息を吐く。 「雄吾」  手をティッシュで拭った創介は俺の背中をゆっくり撫でた。 「余韻に浸ってるとこ悪ぃけどさ……お前、今日バイトじゃね?」  言われて頭を持ち上げると、創介は俺の張り付いた前髪を横に流して頬に流れた涙を拭う。 「シャワーだけは浴びて来い。簡単に食べられるもんだけ作っとくから」  微笑んで俺の頭を撫でてから出て行く創介を俺はどんな気持ちで見たらいいのかわからなかった。

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