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第2話「どうすんの?」

「ダァーっ!!……はぁ……」  不意に迫ってくる罪悪感っていうか、後ろめたい何かってか、耐えきれない羞恥心っていうか……俺はもう何度目かわからないため息を吐く。 「佐伯(さえき)くん、どうかした?」 「いえ、何でもないです」  店長に声をかけられて俺はプルプルと首を横に振った。  そうだ。今はバイト中。  ハッと短く息を吐き出して、台車にコミック本を並べる。 「あ、今日いくつか新刊発売だし、それはそこに置いておいていいから佐伯くんもレジ入ってくれる?」 「はい!」  ある意味、助かった。  レジで忙しく対応していれば変に悩むこともない。目の前の仕事をこなすのみだ。  でも、それがバイト終わりの時間になるとまた別だった。 「ん?疲れた?もうあがっていいよ?お疲れ様!」  ポンポンと肩を叩いて微笑まれる。いつもの店長の優しさも気遣いも、今日はあんまり嬉しくない。  スタッフルームに入ってもため息しか出なかった。  エプロンを外して、ノロノロと帰り支度をする。ボディバッグを前掛けしてスマホを取り出すと、メッセージが入っていた。 『今日ラストまでだから夕飯は冷蔵庫に入れてあるからな』  それを見て俺は慌ててスタッフルームを飛び出す。 「お先に失礼します!お疲れ様でしたっ!」  創介が帰り遅いならとりあえず早く飯食って風呂入って寝ちまえばいいんだよ!

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