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第2話(2)

 俺は自転車を飛ばして家に帰り着くと、玄関すぐの階段をバタバタと上がってリビングを通り過ぎてそのまま奥にある俺の部屋にサッとかばんを投げた。  振り返って歩き出そうとすると、リビングの向こうに創介の部屋が見える。  今朝、目を覚ましたあの部屋。まさかの夜中色々されて……記憶にないし酔っ払ってたからしゃーないってしたかったのに、朝もバッチリ抜かれてしまった部屋。  顔に熱が集まってくるのがわかって、俺は慌ててリビングを突っ切って創介の部屋のドアを見ないようにしながらカウンターの向こうのキッチンに逃げ込んだ。  冷蔵庫を開けると、俺の大好きなオムライス。サラダとコンソメスープ、プリンまで置いてある。 「あいつ……ズリぃ」  呟きつつわざわざ耐熱容器に入れてあるスープをレンジに入れて、サラダにドレッシングをかけてカウンターに置いた。  全部をカウンターに置いてため息を吐く。  ……俺の好きなもんばっかり。  向こう側に回ってカウンターチェアに腰掛けた。 「いただきます」  手を合わせてオムライスを口にすると、いつもの創介の味がする。 「うっま……」  いつもの変わらない味なのに……なぜか泣けてきて、俺は鼻を啜りながらスプーンを動かした。

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