「えっと、この人が君たちDeeperZを担当してくれる事務所の大庭くん！」 戸川さんに肩をガッチリとホールドされて体を引き寄せられながら紹介される。 　『あっ、大庭千遥です。これからよろしくお願いします』 　「このイケメン兄さんがお世話してくれるから何かあれば何でも言って大丈夫だから」 　 　　《はい！！ 》 　彼らとは10歳くらい歳が離れてる。いくらイケメン気取りしたって20代後半はもう立派な大人で彼らからしたら相当おじさんだと思われてるに違いない。 　撮影準備が終わりカメラマンもスタンバイを始めそれぞれスタッフも定位置につく。 　「あー…ゆっくり1人ずつ紹介したいんですけど撮影始まっちゃうんでまた後ほどで大丈夫ですか？」 マネージャーの那奈が申し訳なさそうに言った。 　『ごめんなさい。大丈夫です、撮影行って下さい！しばらく見学させてもらいますね』 　お辞儀をしてから6人は那奈に誘導されてセットに向かった。カメラマンへ挨拶している6人を後ろから見つめていると、戸川さんはこちらをチラッと見て言った。 　「どうよ？なかなかいい6人だろ？」 　『はい。すごく可能性を感じますね」 　「千遥くんだって初めて会った時、彼らと同じような可能性を感じたんだよ俺は！」 　『そうですか！？いやぁ、僕は何も考えてないただの子供でしたけど彼らは違いますよ」 　もう忘れかけていたあの時代に少し時間を戻してくれるようなカメラのシャッター音がとても心地よかった。 　『これから忙しくなりそうだな』 　＂パシャパシャ＂と連打されるシャッターは続いていく。撮影も順調に進み、衣装替えして別パターンのアー写撮影。本当にこれからデビューするグループなのかと思うほどポージングや表情がうまい。カメラマンとの呼吸もぴったりだ。 　『……そういえば子役やったり色んな経験積んでる子もいたんだっけな』 　そんな彼らを見ながら頭のスイッチを入れた。事前の資料読みである程度のプロフィールは全員分網羅(もうら)している。アイドル時代から人の顔や名前はすぐに覚えて忘れないという特技がある。 　福留 光(ふくとめひかる)20歳　最年長 　　身長177㎝ 　　グループのリーダー　 　　スポーツが得意 サッカー歴10年 見た目も大人っぽくて落ち着きがある。スポーツマンだったのも頷ける爽やかさ。しっかり者。 　佐田 朋希(さたともき) 19歳 　　身長183㎝ 　　ファッション雑誌モデルをしていた 　　服が好き まさにオシャレ番長。スタイルも抜群。一番カメラマン慣れしてるのが目に見て分かる。クールな顔立ち。 　瀬谷 凌太(せやりょうた) 19歳 　　身長173㎝ 　　元子役でドラマ・映画出演多数経験あり 　　おしゃべり　 誰とでも仲良くなって好かれるタイプ。常に喋って笑ってる。芸能歴は一番長く経験豊富。 　 　松永 卓士(まつながたくし) 19歳 　　身長169㎝ 　　国立大学在学中 頭がいい 　　甘いモノに目がない 歌・ダンス歴はまだ短いが努力家。大学通いながら活動している。女の子のような可愛い顔。 　御浜 旬(みはましゅん) 18歳 　　身長178㎝ 　　ダンス歴が1番長く振り付けもする 　　アメリカ留学経験あり ダンスが上手くて振り付けなどもこなす。高校中退。英語も話せて行動力がある。センターの立ち位置が多い。 　　『んで最後の子がー…あれ？……えっと』