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War80: Jealousy and Sin

 「さぁ!!今日からリニューアルしたY()ング M()ニア!!早速新しいアシスタント紹介するぜ!カモンボーイズ!!」  「はじめまして、1 ON 1の中崎朔です。今日からアシスタント兼YAMATOさんのツッコミ役としてやらせていただきます。よろしくお願いします」  「ちょっと〜朔くん何それ?誰がボケまくりだって?いやでもね、朔くんとは何度か面識あるし新アシスタントって聞いたとき嬉しかったよ」  「ほんとですか?けど僕が聞いたところによると、本当は若い女子アイドルがよかったって、、」  「うんまぁ確かに、、って!違うでしょ!」  「冗談ですよ〜!」  そして、いよいよ奏がレギュラー出演する番組の初回収録が始まった。オープニングトークから息の合った絡みを見せる二人。それを圧倒される奏は唾を飲みながら息を整えていた。  「それからもう一人!!」  「えっとー…DeeperZの栗栖奏と言います!よろしくお願いします!」  「会社の面接じゃないんだから〜!けどその初々(ういうい)しさがいいよね」  「奏はまだデビューして半年くらいですからYAMATOさんお手柔らかにしてあげて下さいよ」  「あれ?二人はもう名前で呼びあうほど仲いいの?」  「はい。初対面から意気投合して歳も近いしもう仲良くなりました」  「二人はまだ10代でしょ?奏くんは現役、高校生だっけ?」  「はい。高校3年生になりました」  「朔くんは19歳だし。あ〜2人からしたら俺はもうおじさん通り越しておじいちゃんかな?」  オープニングトークの自己紹介は笑いに包まれてそのまま収録は止まることなく進む。 そんな本番始まる2時間前。いつものようにメイクや衣装に着替え終わっててリハーサル行われた。二人が会うのは顔合わせの日以来。いわば先輩と後輩の関係だけど突然、朔が奏に提案した。  「ねぇ奏くん。番組中お互い呼び捨てでいかない?」  「えっ?名前をですか」  「ファンは多分俺たちが仲良くしているのみたいと思うんだ。さん付け呼びで敬語で喋るよりそっちの方がお互いのファンの子達喜ぶと思わない?」   「そうですかね、、でも中崎さんにいきなりタメ口は何だか、、」  「番組的にだけじゃなくて純粋に奏くんと仲良くしたいな〜って思ってさ、ダメ!?」  奏にはまだこの業界で友達と言える相手はいない。仲良くなりたいなんて言われたのは初めてで、しかも人気の先輩アイドルから直接そんな言葉を言ってもらえるなんて驚きと嬉しさが、つい顔の表情緩める。  「もちろん大丈夫ですし、、嬉しいです!」  「よかった〜じゃあよろしくね!奏」    そして本番が始まると誰もが親しく見える雰囲気で番組は盛り上がり軽快に進んでいった。レコード会社が企画し、会社内にあるスタジオ使っての撮影だけあってスタッフ全員もほぼ顔見知り。和気あいあいとしたムードの中は撮影が終了した。    「お疲れ様!二人ともよかったよ」 プロデューサーの神田が小さく拍手をしながら近寄って来る。その言葉と満足そうな顔をした感動を見て二人も安堵の表情だ。  「お疲れ様です!」  「やっぱり二人で正解だったよ〜いいコンビになりそうだよ」  「そう言ってもらえて光栄です!」 朔がそう言って二人は顔見合わせた。奏もコクンと頷いて"ありがとうございます"と合わせて言った。  「あーあと、中崎くんはこの後大丈夫?チーフプロデューサーが呼んでたから」  「、、はい。大丈夫です…」  「それじゃ栗栖くんはお疲れ様!また次の収録で!」  そう言って神田と朔は一緒にスタジオから出て行った。心配そうに収録の様子を見ていた那奈も近寄って"よかったね"と声をかけ控え室に戻る。 初めての個人での仕事にも手ごたえもあり、課題は多いが歌とダンス以外の仕事の楽しさも感じてきた奏。  "今日はいろいろ助けてくれてありがと。朔がいなかったら全然話せてなかったと思う。またよろしく"  朔と携帯の番号も交換して初めてできた芸能界の友達に帰りの車の中でメールを送る。その様子を運転しながら見ていた那奈。  「な〜に?何か嬉しそうね、そんなに楽しかった?」  「えっ?あー…顔に出てました、、?」  「うん!わかりやすく出てたわよ。相手が中崎くんだからどうかなと思ったけど相性良かったみたいね。中崎くん、すごくいい子だし頭もいいし彼を見て勉強しなきゃね!」  奏が送ったメールはすぐには既読がつかず返信が来たのは5時間後。"奏とはいいコンビになれそうだよ。次の収録も楽しみにしてる"と返ってきた。ライバルになると思っていたグループだがこんなにも早く親しく近くで関わると思わなかった。  奏は"じゃまた"とすぐスタンプと一緒に返した。

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