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 笑っているはずの、二見さんからの圧が凄い。  西園寺さんはちょっぴり不満そうだったけれど、そのままズルズルと引き摺られるようにして、やたらと長い真っ黒な外車の後部座席に無理矢理押し込められた。 「じゃあね、陸斗くん。また夕方、迎えに来るから!  今日は確か、18時上がりだったよね?」  名残惜しそうに窓を開け、大きく手を振る西園寺さん。   「来なくて良いです。  職権乱用してシフト把握されてるの、まじで怖いし気持ちが悪いです」  笑顔で手を振り、ピシャリと拒絶した。 「あーあ、可哀想に。  もう少し、優しくしてあげたら?」  走り去る車の後ろ姿を見送りながら、同情したようにハラちゃんは言った。  しかしここで甘やかしたりしたら、間違いなく西園寺さんの行為はエスカレートしていく事だろう。  ‥‥‥正直、面倒臭い。 「無理。てかあの人、モテるだろうになんで僕なんかにあんなにも執着するんだろ?」  ずっと疑問に思っていた事を、口にした。  するとハラちゃんは少しだけ考えるような素振りを見せ、それからポンと手を打った。 「分かった!モテるからこそ、なんじゃない?  西園寺さんはこんな風にすげなく扱われた事なんて、きっとないだろうし」  なるほどな‥‥‥。  言われてみたら、そういうことなのかもしれない。  確かに女性だけでなく、男性までも無意識の内に惑わせていそうな彼からしてみたら、僕みたいな態度を取る人間は稀有な存在に違いない。    さっきは甘やかすのは面倒だと思ったが、前言撤回。  今夜もいつものように勝手に迎えに来たならば、かつてないほど暖かく出迎えてやろう。

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