29 / 696

第29話

「あーあー、恥ずかしいイき方して。 そんなに気持ちかったか? 恥ずかしくねぇの? なぁ。 ん?」 三条が喋れないと分かっていて、更に捲し立てる。 「あぁ、恥ずかしいの好きだもんな」 辱しめられるのが好きだと知っているから言うんだ。 「なぁ、はーると」 「ん……、ん…、」 ウエットでイっているらしく吐精の気持ち良さに惚けた口は譫言のようになにかを発しているが、聴き取れない。 邪魔なマスクだ。 三条のは取っても……と考えやめた。 流石に今日のこの行為は他人に言うべきではない。 「…はっ、はっ、…はぁ……はぁ…」 漸く心拍も落ち着いてきたのか、呼吸が規則正しくなっていく。 正しくなっていくところを乱したい、と悪戯心が芽をだす。 賢者タイム中にそんな事をされるのは嫌だと解っていてもだ。 そろそろ落ち着いてきただろうか。 身体が落ち着いているなら。 腰を突き上げ中を突いた。 「ま゛……っ、」 やっぱりキツいらしい。 声が震えている。 けれど、やめない。 トンッ、トンッ、と中を突き上げる。 その度に、中の肉が吸い付いてくるのが気持ち良い。 ココに吐き出したい。 吐き出す。 射精する。 「ぎ……つ゛、い゛……」 「でも、今日は腹ん中に、精液溜めて帰ろうな」 「……っ!!」 「すげぇ締まる…っ、やべぇ」 狭い肉を掻き分け、必死に腰を降って射精準備を整えていく。 セックスみたいに動物の本能が優位になる行為は恋人にしか見せられないと痛感する。 それに、受け入れてくれるのもこの年下の恋人だけだ。 大切にしたい。 酷くしたい。 それをぶつける。 「ザーメンタンクになろうな」 「ひ、ぅ…っ、あっ、……あっ」 「言ってみ。 ザーメンタンクにしてくださいって」 「いっ、いから…っ、ま、て゛…っ、」 「ほーら」 「……ざ、め…っ、あっ、……おぐ…っ、」 「あ? なんて?」 「ざぁめ、…ったんく、して…、おねがっ、」 「ははっ。 及第点、な」

ともだちにシェアしよう!