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第66話

「ほんと……」 人の気も知らないで、無垢な顔を無防備に見せるのだから。 逆にほっそい手首を掴むと、自身の下半身へと導いた。 分からないなら、分かってもらうだけ。 「っ!! ほんとに勃…っ」 「だから、ホテル行くかって言ってんだよ」 「なんで…。 どこに勃つ要素が……」 「遥登が好きだから。 ついでに言うと、香水のにおいさせてる時からやばかった」 「それ、会った時じゃないですか……」 「まぁな」 独占欲に素直に香水を分けたが、こんなに素直に纏ってくれるとは。 残り香とは異なるにおい。 清潔なにおいと混ざるとすごく良い。 しかも、ここ数日仕事でバタバタしていたので疲れているのもある。 「今日はなんかやべぇ。 餓鬼みてぇだ。 あ、けど、気にすんな。 こんくらいならすぐ治まるし」 「俺が…しても、良いですか」 「大丈夫だって」 「したい、です」 据え膳食わぬは……とは言うが、ホテルは流石に。 やはり、感染が頭をチラ付いてしまう。 それに、疲れマラも兼ねているなら早く終わらせられるだろう。 こんな可愛い恋人に触られるなら尚更だ。 「パンツ、コンビニで買ってきてくれるか」 「はい、」 「そしたら、お願いするな。 このまま擦って。 遥登に触られてるってだけでヌけるから」 チラリと見上げてくる目も、たまらない。 めちゃくちゃに泣かせたくなる。 スイッチが入りそうだ。 そんな事とは露知らず、三条は手を動かしはじめた。 「はぁ…、きもち…」 「ボトムス、このままで…大丈夫ですか」 「ん、だいじょぶ。 触りたかったら、チャック下ろすから言ってくれ」 ボトムス越しだと体温が直に伝わってこないのが残念だが、気持ち良いことにはかわりない。 「俺が……好きにしても、良いですか…?」

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