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第81話
手洗いとうがいを済ませる横で、三条の分とおかわりの分のコーヒーを用意する。
お揃いのマクが嬉しそうに並んでいるのを見るのは、長岡自身も嬉しい。
そして、三条も。
そういう顔をしている。
「疲れてるか?」
「全然疲れてませんよ。
元気です」
「ふぅん。
若けぇからか」
「正宗さんはお疲れですか?
お邪魔なら帰りますけど…」
なにを言うかと思えば。
こういうことばかりは物覚えが良くないのはなんでなんだ。
「帰んなよ。
離れんな」
「…っ」
「時間が許す限りいろよ」
子供みたいな独占欲を隠すことなく見せ付け、腰に手を回すとビクッと跳ねた。
こんな可愛い恋人との僅かな時間の部屋デートだ。
離れたくないに決まってるだろ。
寧ろずっと部屋にいて欲しいくらいだ。
監禁、本当にしてぇよな
実質、軟禁だが、それでも1日くらいしてみたい。
こんな世情ではなければ、夏季休暇や春季休暇のタイミングでしたのだが。
まぁ、三条にとっては軟禁されずに済むのだから良いのかも知れない。
けれど、その恋人はマゾヒストだ。
結構のな。
喜んで1日軟禁生活を過ごしそうでもある。
「遥登に会えねぇ方が無理だ」
「また、そういうこと……」
「ほんと。
だから、帰るまで傍にいろ」
「…はい」
キスしたい欲をぐっと耐え、腰をそういう意味を込めて撫でる。
愛してる。
愛しい子。
だから、傍にいてくれ。
傍にいるから。
「なんか……触り方が、えっちぃです…」
「えっちぃってのはこうやんだよ」
「それは…っ」
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