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第96話

腰を押し付けられる度に腹が痙攣している。 いや、もしかしたらずっと痙攣しているのかもしれない。 もう自身の身体なのに分からなかった。 揺さぶられる度に縛られていると強く自覚されられ、身体が昂る。 手首や足首、股や間接が痛むがそれすら好ましい。 「あ゛…ッ、あ…っ、…」 腰をおしつけられたまま脚を更に開かれた。 まるで結合部をみたいとばかりに。 股関節が痛むが、今はそれさえ甘い刺激として頭が受け取る。 身体がもう少し柔軟だったなら良かったのに。 「えっろ。 ぴっちり伸びてんな。 ほら、分かるか」 「ひぐ…ッ!」 「すげぇ声。 んなにきもちいかよ」 伸びきった皮膚をなぞられるゾワゾワがたまらない。 すごい。 駄目だ。 こんなゾクゾクが頭を支配したら、もう戻ってこられなくなる。 「…っぅ……」 セックスに溺れる廃人になったら……。 長岡となら、それでも……。 「俺以外考えんな」 長岡のことしか考えられない。 もう、長岡だけ。 再開された律動に、また喘ぐ。 自分の醜い声の奥に、息を詰めたり小さく漏らす恋人の声が聴こえる。 そればかりを拾い集め貪る。 この声。 脚を掴む力強い腕も俺だけ。 俺だけの恋人。 「は…っ、まさッ、ま…っ」 奥の弁のトコロを捏ねるように突かれ、言葉と共に唾液が垂れる。 それを拭うことも出来ず汚い顔で揺さぶられ続け、何度目かの絶頂に首がカックンと落ちた。 「まだ、落ちんなよ」 余裕のない声だ。 もうイくのか、動きも早くなる。 こんな身体で、こんな汚い顔で発情してくれているのが嬉しい。 身体が勝手に長岡のモノを締め付ける。 「……きつっ」 「ほ…っし…、……せぇ、き…っい」 「…奥で、ごっくんしろ…っ」 孕みたい。 飲みたい。 「くっそ…、きもち…」 犯して。 長岡が残ればどんなに嬉しいか。 「……イ、きそ」 「だっ、……だし…ッあ゛……ん゛ッ、んっ」 「…イく、だす……出すぞ」 「は、はっ、い…っ、」 奥歯を噛み締める雄の顔。 アナルの縁が一際膨らむ感覚。 それから、ドクドクと脈動し精液が奥に吐き出された。

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