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第251話

「いただきますっ」 2つに分けたアイスの片方を、ちゅーっと吸う。 いつ食べてもアイスは美味しい。 歩きながら食べるなんて末っ子前では出来ない。 「で、夏休みの予定は?」 「気になる講習とかを受けてみたいなって考えてます。 オンラインのもありますし、今年は享年より少しは動けますから」 「へぇ。 良いな。 俺も勉強すっかな」 「しますか?」 ほんの少しだけ背丈の高い恋人を見上げると、にっと目が笑った。 夜でも分かるキレイな目。 「する。 遥登に負けてらんねぇ」 「正宗さんは、いつも先にいます」 「隣にいんだろ」 繋いだままの手を引かれ、トンッと肩が触れ合った。 汗のにおいと長岡のにおいがする。 においが分かる距離にいる。 「ほら」 それを理解すると三条は、へちゃっと笑った。 「へへっ」 「いるだろ。 遥登に、ずっと格好良いって言ってもらえるように頑張りてぇんだよ」 「正宗さんのそういうところ、大好きです」 「大好きも言われ続けてぇな」 「正宗さんも言ってくれるなら、沢山言います」 「ははっ。 大好きで良いのか。 愛してる、じゃなくて?」 「あ、そっちが良いです…」 「愛してるよ」 「俺も、誰よりも…愛してます」

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