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第436話

縄を解き、首輪にリードを繋げる。 更に自分のカーディガンを羽織らせ、それを引っ張りながらフラ付く足取りの三条を連れて浴室へと向かう。 体力消耗と、タオルを噛ませていたが血流が上手く巡らず痺れているのだろう。 三条はヨタヨタと歩いている。 転ばないように気にするのは絶対に忘れない。 「お座り」 「…っ、」 「良く出来たな。 次は、排泄」 「……わ、ん…」 「ははっ。 良い子だな」 本物の犬みたいに利口だ。 くしゃくしゃと頭を撫で、乱れた髪の間から強請るような媚びた目が見えた。 いつ見ても良い。 綺麗で、清らかで、汚したくなる。 これだから三条は沼なんだ。 「……は、…はいせつ、します」 喘ぎ過ぎた喉はスカスカで、呂律も鈍くなっていた。 それでも、素直に言葉に紡ぐ可愛い恋人。 非道に見えるだろう行為。 だけど、愛がある。 愛の反対は無関心だ。 古典作品や書物、猫には興味があるが、他のことには関心がない。 この子ほど関心のあるものは存在しない。 「あ…っ、」 S状結腸へと吐き出した精液がゆっくりと内壁を愛撫しながら垂れてくる。 見詰め合いながらの排泄。 それが、どんな気持ちなのか自分には分かり得ない。 どんなに興奮するのかも。 ただ、その顔や身体の反応から察するしない。 けれど、1つだけ言えるとしたら、そんなことをする恋人と自分は同じ気持ちだということ。 「で…て……」 ケツからポタポタと精液を吐き出しても、綺麗だと思えるのは三条だからだ。 どこまでも汚れを知らないまっすぐな恋人。 歪みがないから美しい。 「…なめ…ます…」 「美味い?」 「おいし……」 床に這いつくばり舌を伸ばす姿に昂るばかり。

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