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第563話

明日の準備を整えて、そっと家を抜け出した。 「正宗さん」 「遥登。 悪いな」 「いえ。 会えて嬉しいです」 6日ぶりの恋人だ。 先週神社でのデート後、3分で良いから時間をくれと言わた。 そんなのいくらでも都合する。 3分のために、数十分も車を走らせてきてくれる。 そんな人の願いを断れるはずがない。 それに、自分だって会いたいから。 そんなの当たり前だ。 会いたいに決まっている。 「抱き締めさせてくれ」 「え、それは構いませんけど…」 ぎゅっと、強く抱き締められ良いにおいに包まれる。 長岡のにおいだ。 平均身長を優に越した自分をすっぽりと包んでしまう大きな人。 その優しさが心を充たしていく。 まさに、充電だ。 家の近くなんて関係ない。 好きだ。 大好きだ。 「それと、」 長岡は前髪を撫でると、そのまま額に触れたままマスクをズラした。 「おまじない」 ちゅ

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