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第719話

寒くて1日中炬燵に入りながら授業を受けていたが、散歩がしたくなりマフラーを巻いて外に出た。 保温効果のある服を着ていても冷える。 それもそのはずで、チラチラと雪が混じっている。 雪だ どうりで寒い訳だ 手が悴むのでスマホと共にポケットに隠した。 鼻先もマフラーとマスクで隠し、あったかいまま外を歩く。 目的地がある訳ではないので、適当に歩き、帰りたくなったら帰る。 ただそれだけの散歩。 そんなことが自由に出来るようになったのはいつだったのだろうか。 大人達の戯れ事が聞こえなくなったのは、あのクリスマスからだ。 首からぶら下げたチェーンに今日も輝く指輪。 その指輪を贈られた日から強くなれた。 長岡から守られている事実が強くしてくれた。 クリスマスプレゼント、なんにしようかな 服は……俺のセンスがなぁ… でも、俺はもらって嬉しかったしな 素直に長岡本人に聞けば、きっとこう返ってくる。 『遥登の時間』 いつもそうして甘やかしてくれる人を、自分も甘やかしたい。

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