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第731話
「ふたっつ」
「食うのか?
サンタさんにあげるんだろ」
「はぅとと、ゆーとの。
かんぱいしよ」
そういうことなら、お言葉に甘えさせてもらう。
またもや残り生地のクッキーを選び、良く冷ます。
そうして、次男と末っ子の視線に合わせてしゃがみこみ3人で乾杯をした。
「おー、美味い」
「美味しいな」
「へへぇっ」
「分けてくれて、ありがとう」
「どーたまして」
次男がいつも作るレシピ通りの味がする。
これならサンタクロースも喜んでくれるだろう。
「となかいも、くっきーたべる?」
「人参じゃね?」
「優登は人参あげてたよな」
「ゆーと も したの?」
「んー…、まぁ…」
「たべた?」
「噛んであった」
「っ!!」
またもキラキラ輝く目に、優登は少し恥ずかしそうに頷いた。
そういえば、保育園の時におやつサンタクロースの為に残していた時があった。
思春期の子に言うものではないので心の中で、あの頃の可愛らしさを噛み締める。
そして、頼もしくなった姿を見て、成長をも噛み締める。
サクサクとクッキーを噛んでいると、なにか飲みたくなってきた。
完全におやつの感覚になる。
だが、小さなお菓子はすぐに食べ終わってしまう。
「ごちそうさま」
「もうふたっつ」
「次は誰だよ?」
「みっちゃと、とーと!」
「ほら、熱いから気を付けろ」
「あーい」
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