822 / 984
第822話
三条の好きな梅酒のボンボンショコラ。
それを手に取る。
今の世の中、男だとか女だとかそういうことはナンセンスだ。
男女平等に、だけど染色体の違いは大切にされている。
女子生徒に対してだけ“さん”をつけるのではなく、男子生徒に対しても“さん”であったり。
自身の学生時代も性別の区別はあれど、差別はなかった。
だが、その時代より今はうんと進んでいる。
男が1人でバレンタインデーの催事に来ても目は痛くなくなった。
あとは…、これとか好きそうだな
ボンボンショコラは勿論、甘いものの好きな三条なら喜びそうな物がずらりと整頓している。
それを1つ1つ見ながら、三条の顔を思い浮かべる。
『わ!大好きです!』
『嬉しいです!』
『美味しいですね!』
そのどれもで笑っている。
すごく良い笑顔だ。
こうなると、選ぶのは直感だ。
三条と過ごしてきた日々の積み重ね。
それが、自然と手を動かす。
ともだちにシェアしよう!

