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第822話

三条の好きな梅酒のボンボンショコラ。 それを手に取る。 今の世の中、男だとか女だとかそういうことはナンセンスだ。 男女平等に、だけど染色体の違いは大切にされている。 女子生徒に対してだけ“さん”をつけるのではなく、男子生徒に対しても“さん”であったり。 自身の学生時代も性別の区別はあれど、差別はなかった。 だが、その時代より今はうんと進んでいる。 男が1人でバレンタインデーの催事に来ても目は痛くなくなった。 あとは…、これとか好きそうだな ボンボンショコラは勿論、甘いものの好きな三条なら喜びそうな物がずらりと整頓している。 それを1つ1つ見ながら、三条の顔を思い浮かべる。 『わ!大好きです!』 『嬉しいです!』 『美味しいですね!』 そのどれもで笑っている。 すごく良い笑顔だ。 こうなると、選ぶのは直感だ。 三条と過ごしてきた日々の積み重ね。 それが、自然と手を動かす。

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