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第846話
「いただきます」
「いただきます」
帰宅してからも晩飯を食べる三条だが、美味そうに食事を口に運んでいる。
にこにこと屈託のない顔で美味そうに食うので、つられてパクパクと口に運んでしまう。
三条の作る料理はどれも美味い。
今目の前に並ぶようなあたたかな料理も、冷蔵庫の中の作り置きも。
三条の育った味であり、三条の好きな味。
そんな些細なことすら嬉しい。
まぁ、この顔の隣で食うから更に美味いまであるが。
「うめぇ」
「お口に合って良かったです」
「どれもすげぇ美味い。
焼き立ての鮭とか最高」
「この鮭、骨とりなので食べるのも簡単ですね」
「便利だよな。
皮ごと食えるし」
「また、その顔で家庭的なことを…」
いつもの様子のおかしい発言にも構わず、米を口へと運んだ。
「興奮すんだろ」
「しますけど…」
「俺で発情するし、興奮すんだもんな」
「なんか言い方が…」
「事実だろ?」
「事実ではありますけど、なんか…」
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