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第867話
「うめぇ」
「うまぁい!」
「良かった。
沢山食べてね」
ジュージューと肉の焼ける音と、家族の声がする。
日中は緊張で硬くなっていた身体も今はふにゃふにゃ。
大好きな肉と家族のお陰だ。
「あ、のこのこ!
たべたい!」
「ん。
待ってな」
食べ頃のきのこを見繕うと、綾登の皿へと置いた。
ウインナーに、肉、目玉焼きご飯に末っ子も食が進む。
頬袋をふくふくさせながらしあわせそうにご飯を頬張る姿に、三条も食が進む。
「あーとっ!」
「熱いから気を付けてね」
「ふーっ、ふーっ」
「美月ちゃん、お肉食べてる?
玉ねぎも食べられるよ」
「ありがとう。
じゃあ、いただくね」
もう1ヶ月もしたら、配属先が決まる。
それまで、最後の春休みを満喫する他ない。
「兄ちゃんも目玉焼きいる?」
「いるいる。
ありがとう」
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