941 / 984
第941話
『なんか必要なのあるか?
今更買い足すもんって言われてもすぐに思い付かねぇよな』
「特には…」
外泊日になにか必要な物はあったかと言われれば、自ずと答えは出せる。
だが、長岡の部屋に寝泊まりさせてもらうと言うことは、スーツを置いておかなければならないのか。
いや、着替えに部屋に戻れば良いか。
帰りも部屋で着替えてから部屋に行けば良いだけだ。
そうすると、やっぱりこれと言って特別必要な物はなさそうだ
『ま、住んでみねぇと分からねぇよな。
なんかいるのがあれば、遠慮なく言えよ。
俺の部屋で使うんだから当然俺が買う』
「またそうやって甘やかします…」
『甘やかすだろ。
好きな子だぞ』
甘々、ふわふわの言葉に顔がダラしなくなる。
特に頬の筋肉が使い物にならない。
『なに、嬉しい?』
「そりゃ…、嬉しいです」
指輪に触れながらニヤニヤする頬を納めようとするが、完全に緩んでいる。
でも、相手が流し台がだから見せることが出来る。
それは紛れもない事実だ。
ともだちにシェアしよう!

