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第941話

『なんか必要なのあるか? 今更買い足すもんって言われてもすぐに思い付かねぇよな』 「特には…」 外泊日になにか必要な物はあったかと言われれば、自ずと答えは出せる。 だが、長岡の部屋に寝泊まりさせてもらうと言うことは、スーツを置いておかなければならないのか。 いや、着替えに部屋に戻れば良いか。 帰りも部屋で着替えてから部屋に行けば良いだけだ。 そうすると、やっぱりこれと言って特別必要な物はなさそうだ 『ま、住んでみねぇと分からねぇよな。 なんかいるのがあれば、遠慮なく言えよ。 俺の部屋で使うんだから当然俺が買う』 「またそうやって甘やかします…」 『甘やかすだろ。 好きな子だぞ』 甘々、ふわふわの言葉に顔がダラしなくなる。 特に頬の筋肉が使い物にならない。 『なに、嬉しい?』 「そりゃ…、嬉しいです」 指輪に触れながらニヤニヤする頬を納めようとするが、完全に緩んでいる。 でも、相手が流し台がだから見せることが出来る。 それは紛れもない事実だ。

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