「なんで笹原まで割り込んでくるんだ」 「自分の布団で寝ろ」 「ひっつくな暑苦しい」 「俺は千里じゃないぞ」 光希がいつでも戻って来れる様にと寝室のドアを施錠していなかったのがそもそもの間違いだった。人肌の温もりを求めて裕貴がまずはじめに布団に潜り込んできて、一分も過ぎないうちに今度は笹原が潜り込んできた。三人でちょうどいい広さのベットに大の大人が四人。ぎゅうぎゅうだ。 「奏音を引き取るのか？」 遼成の背にぴたりと張り付く裕貴が、遼成と龍成に静かに問い掛けた。 「男に二言はない。光希に甘える奏音、龍にそっくりなんだ。見ててなかなか面白いぞ」 「そういう遼だって奏音に焼きもちばかり妬いてるだろう。大人げないぞ」 「お前だってそうだろう。てか、抱き付くな」 「俺じゃない。笹原が……」 「お前のが当たって痛いんだよ」 賑やかなのは姐さん部屋も同じだ。 子どもたちの寝顔を眺めながら、七海と那和と紗智とオンラインで繋ぎ、オトナの内緒話でこっちはこっちで盛り上がっていた。 「誰とは言わないけどマンネリ防止にオモチャをプレゼントされたの。それを知ったダ～リンが焼きもち妬いて、路肩に車停めて……」 ―凪くんたちいたのに？ー 「ふたりとも寝てた。今思い出すだけでも恥ずかしんだけどね、誰かに見られていると思うと逆に興奮しちゃって。光希もだよね？」 「だって所構わず、舎弟がいてもキスされるし、ハグされるんだよ。嫌じゃないから別にいいけど……」 光希が照れて真っ赤になった。