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リモート姐さん会
画面いっぱいに表示されたのは可愛い妹ではなかった。
裕貴が慌てて画面をパタンと閉じた。
「見なかったことにしよう」
「だな」
「ちょっと裕貴、アタシの未知を連れていかないでよ」
不満を口にする千里を無視し、さっさとパソコンを片付けてしまった。
とんだとばっちりを受けたのは七海だ。
「七海、ゴメンネ」
千里がすぐに電話を掛けると、久し振りにみんなに会えたのに酷くない?ムッとしていた。
「未知のドアップ見たいひとーー!」
「はぁーい」
一斉に手が上がった。もちろん男性陣も子どもたちも全員だ。
「未知のベビちゃんと子どもたちのドアップ見たいひとーー!」
「はぃ、はぃ」
「足でも手でもいいよ」
これも全員手が上がった。
「じゃあ、さぁ、遥琉のドアップ見たいひと」
「…………」
場が一瞬静まり返ってしまった。
ー俺も見るなら未知と未知の子供たちのドアップがいい。彼、たいくんLoveだから……ちょっと覚さん、変なところ触らないで。電話が繋がってるからー
「ほんと、仲がいいわよねーーアタシたちも負けないくらい仲がいいわよーー」
千里が笹原のネクタイを引っ張り自分の方に寄せると、頬っぺにチュッと軽く口づけをした。
「せ、せ、せんり」
突然のことに笹原は照れて真っ赤になった。
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