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おめでとう!

「さすがままたんに育てられたことはあるな」 「だから卯月家は女子が強いんだ。お陰で男子は肩身が狭い」 「なるほどな」 優が苦笑いを浮かべた。 「ただいまー!」 一番乗りはもちろん紗智と那和と亜優。仲良し三人組だ。 「嘘」 「聞いてないよ」 未知が帰ってきたことを何も知らされていなかった三人。思いがけないサプライズにビックリしすぎてしばらくの間固まっていた。 「バーバと優、邪魔」 「マーお帰りなさい」 「会いたかったよ」 三人は遥琉と優を押し退けると我先にと未知に抱き付いた。 「ただいま。ごめんね黙ってて」 「体調は?」 「立ち眩みがするし、まだ悪阻も」 「なんでも言って手伝うから」 「遠慮はだめ」 「ありがとうみんな」 子どもと養子で総勢九人。 子どもが多すぎると批判され、逆風にさられる中でのまさかの十人目の妊娠だった。 産むかどうか迷っていた未知の背中を押したのも九人の子どもたちだった。 「奈梛も退院出来て良かった」 「良くないよ。まゆこがまだ捕まっていないんだよ」 「手を叩いて喜べない」 三人は心配そうに奈梛を見た。 「私とりんりんママとフーパパの絆はそう簡単には切れないよ。心配してくれてありがとう」 奈梛が鳥飼とフーの手をそっと握った。 「血の繋がりなんて関係ない。誰が何と言おうが私の親はりんりんママとフーパパだよ」 「奈梛、ありがとう」 「シェ シェ」 鳥飼とフーはにっこりと微笑むと、愛おしそうに奈梛の頭をぽんぽんと撫でた。 そこへ三人の夫たちが遅れて到着した。 「み、光希さん!」 東京に帰ったと思っていた光希がいて一番ビックリしたのは玲士だった。 「お疲れ様です」 朝陽を抱っこしながら慌てて頭を下げた。 信孝とナオ家族と、ウーと斉木家族も到着し、残るは主役の覃と譲治のみ。ふたりの到着を今か今かと待っていたら、ピンポンと呼び鈴が鳴った。 「もしかして和真かも知れない」 「カミさんが入院中だから来れないって話していなかったか?」 「和真は真面目で律儀な男だ。覃と譲治に挨拶しに来たかものかもな」 遥琉が玄関に急いで向かった。

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