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第7話

俺が家に行って、呼び鈴を押すと、すぐに、春名が現れた。 「レイちゃん」 俺は、玄関の扉が開くとすぐに、春名に抱きついた。春名の胸の音が聞こえて、俺は、落ち着いていった。春名は、俺を抱いたまま、きいた。 「レイちゃん、どうしたんや?」 「春名さん」 俺は、春名の胸に顔を埋めて言った。 「俺を抱いてください」 「レイちゃん」 春名が、俺にキスしてきた。激しい、全てを奪い尽くそうとするような口づけだった。俺は、春名のキスに応じた。二人で、お互いを貪りあって、やがて、唇を離すと、俺たちは、お互いを熱い眼差しで見つめあい、呼吸を荒げた。 「そがいなこと言われたら、俺、自分を止められんようになってまうで。レイちゃんを壊しとうないんや。俺は、レイちゃんをもっと、大事にしたいんや」 「壊して。俺を、めちゃめちゃにして」 俺は、自分から、春名の唇にキスして言った。 「春名さんのための俺に、俺を作り変えて」 「レイちゃん」 春名は、俺をじっと、見つめていたが、俺をぐっと抱き寄せると言った。 「もう、知らへんで、どうなっても」 俺は、春名の言葉に、頷いた。 「春名さんの好きなようにして」 俺の言葉をきくと、春名は、堪えきれないという様に、俺を乱暴に抱き上げると、寝室へ向かって歩き出した。 俺たちは、何も、言わなかった。 もう、俺たちに、言葉は、必要なかった。 聞こえるのは、二人の乱れた呼吸音だけだった。 春名は、俺をベットへ横たわらせると、荒々しく俺の服を脱がせていった。全て脱がされて、横たえられた俺を春名は、まじまじと眺めて言った。 「きれいや、レイちゃんは、ほんまに、きれいや」 春名は、俺の両足を掴んで俺の体を折り曲げた。そして、さらけ出された俺の後孔を見つめて、言った。 「ここも、うっすらとピンクに色づいて、ひくひくしとる。ほんまに、レイちゃんは、体の隅々まで、別嬪さんや」 「そんな、とこ、見たら、やだっ!」 春名は、俺のことを無視して、俺のそこに吸い付いてきた。 「だめぇっ、そんな、汚い・・」 「汚いことなんか、あらへん」 春名が、舌先でそこを舐め上げながら、言った。 「レイちゃんの体に、汚いとこなんかあらへん」 「あぁっ!」 俺は、春名に中まで舌を入れられて、ぞくぞくとして、体を震わせた。春名は、ぴちゃぴちゃと淫音を立てながら、俺の体を貪った。 「おいしいわ、レイちゃんのここ」 「んぅっ・・春名さ、ん・・」 春名は、俺のそこに舌で唾液を送り込むと、指で中を弄った。くちゅくちゅという音がして、俺は、奥が疼くのを感じた。 「春名さん、きて」 「レイちゃん」 春名は、俺の後孔に猛り立った自分自身をあてがうと、一気に俺の体を貫いた。 「あぅっ!・・くっ・・」 「レイちゃんの中、熱いわぁ、燃えとるみたいや、炎みたいに俺に絡み付いてきとる」 「あぁっ・・春名さ・・」 「五月、いうてや、レイちゃん」 春名に言われて、俺は、春名の名を呼んだ。 「五月、さん・・」 俺は、春名に奥深くまで突かれて、言った。 「俺を、離さないで」 「あたりまえや」 春名は、言って、腰を動かして、俺を突き始めた。 「あんたが、なんぼ、嫌や言うても、もう、離さへんで、レイちゃん、地獄の底まで、一緒やでぇ」 「んぅっ!・・あっ・・はぁっ、んっ・・」 俺は、意識を飛ばして、喘いでいた。ただ、春名の熱だけを感じていた。快感のあまりに、俺は、体を捩って、腰を揺らして叫んだ。 「あっ、あぁっ・・さつ、き・・いいっ!すごく、気持ちいっ・・も、だ、めぇっ!死んじゃう!」 「レイちゃん」 春名が、俺を呼んだのが、微かに、きこえた。 「いくで!」 「あぁっ!」 俺たちは、同時に達した。 俺たちは、満ち足りた気分で、目覚めた。 春名が、すぐ横に眠っていた。彼は、俺を抱き締めていた。俺は、彼の胸に耳を押し当ててその音を聞いていた。 幸せすぎて、涙が零れた。 「何で、泣いとるんや?レイちゃん」 いつの間にか、目覚めていた春名が、俺を見つめてきいた。 俺は、頭を振った。 俺にも、その涙の理由は、わからなかった。 でも。 俺は、春名の胸に頬をくっつけて、微笑んだ。 「愛しとるで、レイちゃん」 春名が囁いた。 俺は、小さな声で呟いた。 「俺も」 「ええっ?」 春名が、大きな声できいた。 「今、なんて言うたんや?レイちゃん、も、一回、言うてや」 「俺も」 俺は、頬を染めて言った。 「愛してる」 世界に一人だけの、俺の恋人。 俺だけの、恋人。 俺の好きになった人。 少し、変わってるけど、というか、変態だけど、それでも、愛している。 俺は、ぎゅっと春名のことを抱き締めた。 「レイちゃん」 春名が感極まったというように言って、俺を抱いて、キスした。 「もう、ホンマに、離さへんでぇ」

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