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「律仁、お前。渉太の保護者みたいになってるぞ」 堪えきれず、笑いながらそう突っ込んでやると「保護者じゃないですー恋人ですー」と拗ねては、キツく睨んできた。 大樹は「すまん」と軽く謝り、笑いが収まった所で、ふと、至近距離という訳では無いが、藤咲は渉太とはあまり距離をとっていないことに気づいた。 なんだか胸がチリチリとする。 藤咲に頼られた、助けたからって特別視をされたなんて優越に浸っていたわけじゃない。 自分との関係とじゃ状況が全く相違ではあるし、比べるものでは無いが、少しだけ複雑だった。 「藤咲ってさ.......渉太ならあれくらい近づいても大丈夫なんだな」 「みたいだね。渉太は人を恨むことはしないし、優しさの塊みたいなもんだからさっ。渉太がいるだけで空気が和むし、本当に助かるよ」 「あと、可愛いし。俺の自慢の彼氏」などと軽く惚気けてみせたかと思えば、「惚れるなよ」と釘を刺される。 告白をされ、正直驚いたことがあったが大樹にとっては今も昔も変わらず可愛い弟のような後輩。 律仁に「安心しろ、俺にとって渉太は可愛い後輩のままだ」と助言してやると「知ってるよ」と返ってきたので無用な心配をしていたようだった。 「まー俺も尚弥くんに間違って手触っちゃったら凄い剣幕で払われちゃったことあるし。ちょっと尚弥くんは気難しいみたいだね。でも渉太のことはそういう目で見ている感じはしないからさ、安心して見てられるよ」 さっき距離が近い二人を見て嫉妬心を剥き出しにしていた律仁に疑問を浮かべながらも、当の本人に肩を軽く叩かれた。 「大樹、あのさ。病室では渉太に余計な心配かけたくなかったから聞かなかったけど、、宏明さんとなんか関係あんだろ?お前のその怪我と藤咲が触れることに神経質なのも含めて」 「まぁー.......これは俺の家の問題だし、お前らには迷惑かけないようにするよ。藤咲のことも俺がなんとかする」 大樹がそう言うと「そうか。お前のこと心配だけど.......何かあったら遠慮なく言えよ。できるだけ力になるからさ」と言われたが、その言葉の裏に少しだけ律仁は身の回りを心配しているように感じた。宏明が自分と関わったら害を及ぼすことは勘のいい律仁なら分かるだろうし、彼の立場上少しのことでも大きな傷になりかねないから.......。

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