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Step 1 序
「おぉ。やってるやってる」
ワイはまたいきつけの街へブラブラと歩き始めた。引きこもってばかりいても仕方無 い
ため、散歩のついでにと足を運んだ先に、可動式のバーだ。
もはや、常連客 にグレードアップしたのだろうか。導 かれるようにグラスを手に持ち、グビィっと一口胃へ流し込む。
これがまたたまらない。こんな所を娘 に見られたら、怒られてしまうだろう。まだ童貞 なんだが。
ここに来たのは他でもない。最近あっちに演奏をしている若者が二人セッションしていた。
特段、秀 でるような素質はまだない。ただ、そうさせてくれる雰囲気 と相性が無限の可能性まで引き出している。
この駆 け出しの時間が大切だと感じ、ワイは何故かわが子のように、そっと橋の向こう側でグラスを片手に見守っていた。
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