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つるかさる

 どのくらい経過しただろう。小一時間が経ち、交渉に難航(ナンコウ)していたが。  常夏寿郎(トコナツ トシロウ)()りたのか、百度目のアンサーでついに許可判定が作動した。これには、ワイでも舌を巻く。 「それでは笠田潤(カサダ ジュン)さん。あなたをおちるこ屋敷(ヤシキ)に加入することを許可します。今後ともよろしくお願いします」 「ありがとう。心なしか友人を思い出すよ」  ふと顔を見上げれば、雲一つない快晴だった。こんな青い空をあいつと下校の時に言ってあげたかったのだが、あっという間の三年間、今度話しかけるつもりでほかの連中とつるんでいたこともあり、一度も話すことなく卒業してしまった。情けない男のはなしである。 「また、会えるかもね」

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