4 / 4
つるかさる
どのくらい経過しただろう。小一時間が経ち、交渉に難航 していたが。
常夏寿郎 も凝 りたのか、百度目のアンサーでついに許可判定が作動した。これには、ワイでも舌を巻く。
「それでは笠田潤 さん。あなたをおちるこ屋敷 に加入することを許可します。今後ともよろしくお願いします」
「ありがとう。心なしか友人を思い出すよ」
ふと顔を見上げれば、雲一つない快晴だった。こんな青い空をあいつと下校の時に言ってあげたかったのだが、あっという間の三年間、今度話しかけるつもりでほかの連中とつるんでいたこともあり、一度も話すことなく卒業してしまった。情けない男のはなしである。
「また、会えるかもね」
ともだちにシェアしよう!