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第十二章・8

「あぁ、あ。熱い……ッ!」  ひくひくと震え、早紀は何度でもオーガズムに達していた。  衛は、動かない。 (挿れられてるだけで、こんなに感じるなんて!)  衛さんは、生粋のアルファなんだ。  オメガの僕を狂わせる、アルファなんだ! 「衛さんの、バカぁ……。うぅ、はぁ、あぁん……」 「バカだから、もう一度いくぞ」 「え? あ、動かないで! また、するの? ちょ、一回抜いて!」 「抜かずの二発、行こうか」 「やぁ、だぁ! あぁ、あぁ、あぁあッ!」  揺さぶられながら、早紀は愉悦の涙を流した。  あぁ、幸せ。  すっごい、気持ち悦い。  衛さんが、こんなに僕を愛してくれる! 「はぁ、あぁん! また、またイッちゃうぅ!」 「私もそろそろ、イきそうだ」  二人ほぼ同時に絶頂を迎え、体を、心を一つに溶け合わせた。 「あぁあーッ!」 「早紀、愛してるよ」  あ……。  今、衛さん、僕のこと……。 (愛してる、って、言ってくれたよね……?)  嬉しい。  僕、嬉しい。  二人で溶け合いながら、愛情を確かめ合った。  熱い夜を、駆け抜けた。

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