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第ニ十章・3

 はぁはぁと荒い息を吐きながら、早紀は微笑む。 「ね、衛さん。抜かずの二発、ヤる?」 「早紀が、いいなら」  来て、と早紀は衛に向けて腕を伸ばした。  その腕を取り、指を絡め、口づけた。 「やだな、衛さん。僕のお腹の中で、また大きくなってるよ」 「早紀の体が、あんまり気持ち悦いからだよ」  いや、体だけでない。  その心も。  早紀の全てを、愛している。 (とても別れられそうにないのは、私も同じだ)  大人の分別で子どもを導いたつもりだったが、後ろ髪を引かれて仕方がない。 (いや、早紀はもう子どもじゃない)  かといって、大人でもない。 「早紀は、早紀なんだな」 「なに? 突然」 「何でもない」  衛は、深く深く早紀を貫いた。 「ッあ! はぁ、ああ!」  首を反らし、髪を散らし、早紀は全身で悦びを表した。  衛もまた、彼に四度も種付けし、それに応えた。  甘い、熱い夜だった。

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