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第ニ十章・4

 愛の行為が終わって、体を拭いて。  パジャマを着せてあげても、早紀は眠らなかった。 「どうしたんだ?」 「ピロートーク、したい」  ふふふ、と早紀は衛にすり寄った。 「ね、衛さん。聞いて、僕の名案」 「何だろうな」  そういえば、早紀は言っていた。 『衛さんと、ずっと一緒にいられるように、って、いつも考えてた』 『でもそれには、衛さんの協力が必要なんだけど、な』  私と早紀が、離れずに、別れずに済む方法。 「聞きたいな。教えてくれ」 「協力してくれるかな?」 「できることは、何でもやるつもりだよ」  嬉しい、と早紀は衛に抱きついた。  そしてそのまま、耳元に唇を寄せた。 「あの、ね……」  聞いて衛は、納得した。 「なるほど。そういう手があったか」  名案だ、と早紀の頭をぐりぐり撫でた。  キスの雨を、何度でも降らせた。

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