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※《乱される》17
和泉もまだイッていないせいで、聞く耳を持たず、和泉の手は遠慮なく二人の陽根を扱いていく。
二人分のカウパーで滑りもよくなり、益々と動きは調子づいたものなっていった。
だが雪成にとっては拷問のようでもあった。後ろでイクと、快感の尾ひれは暫く付いてくる。蕾がヒクヒクと引きつくだけでも言い知れぬ快感があるのだ。
「く……やめ……ろ……っ」
情けない声を上げてしまっているが、雪成は懇願するしかなかった。
「大丈夫、気持ちいいだけだ」
「るせ……ぁ……あ、イク……」
自慰とは比べ物にならないし、普通にセックスしているよりも高みへと向かう感度が凄まじすぎる。
「っ……あぁ……っ!」
とんでもない解放感に、雪成はぐったりと和泉へと倒れ込んだ。
「……やべぇ」
「盛大にイケたな。俺も気持ち良かった」
「そうかよ……良かったな」
唇や、首に和泉が軽いキスを落としていくが、それすらも今は敏感に感じてしまうため、雪成は和泉から退くとベッドへうつ伏せとなった。
(あー……マジで、これはダメなやつ……。まだ尻がヒクついてるわ)
尻丸出しでうつ伏せになるなど、正気の時には絶対に出来ない格好だが、もう雪成には動く気力もなかった。
和泉がめくれ上がったシャツの中へ手を滑り込ませると、背中を露出させた。
「何してんだよ」
「いや……綺麗だなと思ってな」
和泉の指が触れるだけでゾクゾクするなか、目だけ和泉へと向ける。和泉は言葉通り、雪成の背中に見惚れているようだ。
「いつ彫ったんだ?」
「二十歳」
「何で観音菩薩?」
「めっちゃ質問してくるな」
雪成は笑いながら、上半身を起こす。そしてワイシャツのボタンを外して全裸となった。
和泉の視線が胸元から陰部へと落ちていく。雪成はまだ下半身の震えが残るなか、和泉へと背中を向けてベッドから降りた。
均整の取れた白い裸体に映える観音菩薩の和彫り。雪成自身が美しい菩薩のような、そんな目の錯覚さえ起こしそうになるほどで、和泉は完全に雪成に取り込まれていた。
「俺の人生は常に修行中」
雪成がそう口にすると、和泉は我に返ったように、軽く息を吐き出した。
「なんてな。とりあえずシャワー浴びてくる。さっき龍を待ってるとき、五分ほど離れても大丈夫だったし、ちょっと長めで三十分ほど風呂に入ってるわ。どうなるかだな」
「……あぁ、そうだな」
自分も入りたそうな顔を見せる和泉に、雪成は何だか妙な気分となっていた。その〝妙な〟部分が雪成にも分からず、一人顰めっ面をしてしまっていた。
バスタブにお湯を張り、タオルを腰に巻くと洗面台の鏡を見る。鏡に映った自分の顔。眉間に寄ったシワに気付くと、雪成は眉間を指で揉んだ。
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