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※《乱される》16

 和泉と初めてキスをした時も雪成は思ったのだが、和泉のキスは激しいのに柔らかいと言えばいいのか、優しさというものを感じさせられる。  雪成はセックスする相手に自ら好んでキスはせず、相手が求めてくればする程度だ。その際は相手に何の感情もないため、義務的なものになる。だからキスで気持ちいいと感じた事はなかったのだ。  相手が和泉だから触れると気持ちいいと連動して、キスも気持ちいいのかもしれないが、下手であれば雪成も夢中になるほど舌を絡ませたりはしないだろう。 「ん……」  飲み込めない唾液が口端からこぼれる。それを和泉はまるで勿体ないと言わんばかりに綺麗に舐めとっていく。 「雪……濡れてきてるぞ」 「……え?」  グチュグチュとわざと音を出され、羞恥はないが雪成は思わず眉を寄せてしまっていた。  身体は熱いが、ヒートはしていないと自身で感じている。 「匂い……するか?」  一応雪成がそう問うと、和泉は直ぐに首を横に振った。 「いいや、ヒート特有の甘い匂いはしないが、雪のいい香りはする」 「俺のって……あっ……!」  良い所を強めに擦られ、雪成は思わず和泉の首筋へと抱きついてしまう。しかし和泉の身体はとても熱くて、またラットを起こしているのではと疑った雪成は、顔が見れる程まで離れた。 「りゅ……う、アンタの……からだ熱すぎる」 「大丈夫。ラットじゃないから」  そう和泉は言うが、今まで抱いてきたアルファでも、ここまで身体が熱くなる者はいなかった。  和泉の目は雪成を強く求めているような、強い欲が窺える。発情していないなら何故という疑問が浮かぶが、正直それ以上考える余裕など今の雪成にはなかった。 「……ん……りゅ……そろそろ……イカせろよ……」  もうペニスは痛い程に反り返り、しとどに濡れそぼる程になっている。和泉のペニスと擦れ合う度にイきそうになってしまう。 「もしかしたら中でイケるかもな」 「中は……いいから、早く」  和泉とて早くイキたいはずだ。ずっと勃起をしたままで、よく我慢が出来るものだと感心するくらいだ。 「雪……中でイケ」 「く……おぃ……やめ……」  肉筒を目一杯広げた指の抽挿が激しくなる。前立腺を擦られながらではたまらないものがあり、未知の感覚に大きな戸惑いすらあった。  何かが大きく迫ってくる。 「あ……っ!」  高みへと向かう勢いは止められず、雪成は盛大に頂点へと達した。 「ぁ……くぁ……ん」  脳天まで突き抜けていくような快感は留まることを知らず、まだ和泉の指が中に入っているだけで感じてしまっていた。  下半身に僅かな痙攣が起こる中、和泉が二人の性器を束ねて扱き始めた。 「あっ……お……いっ」  雪成は思いっきり逃げようと腰を浮かしたが、ペニスをしっかり握られているため、そこに痛みが走ってしまう。 「く……いてぇ……はなせ……って言うか、いま触るな」 「無理だ。雪もこっちはまだイッてないだろ」

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