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引き返せない

(雅人-視点) 横にスースーと寝息をたてて寝ている、帝に雅人は愛おしそうに見つめる。 「大好きだよ…、みぃくん。」 みぃくんの綺麗で細い手を俺の手と絡める。 みぃくんが俺以外を視界に入れてる、他人の奴と話している、他人の奴に触れられている。それだけで、殺意が湧いてくる。俺の、俺だけのみぃくんなのに。 「発情期来たら、噛んであげるからね。」 みぃくんの首には無数のキスマークと、真っ赤な首輪が付いていて鎖がベッドと繋がっている。首元に触れると、ピクリと反応する。 あぁ…、全てが愛おしい。俺だけの…、俺だけの物(ペット)。絶対誰にも渡さない、俺からみぃくんを奪った奴は、散々痛めつけて殺してやる。 …ねぇ、みぃくん。俺はこんなにも好きだと言うのにッ、どうして…? どうして、みぃくんの瞳は俺を映さないの? みぃくんの綺麗な瞳に俺だけ写してよ。喜びも、悲しみも、怒りも、苦しさも…俺だけに見せろよッ! 「いっ…!!」 「あ、ごめん。みぃくん。」 つい感情的になって、みぃくんの手を絡めていた手に力が入ってしまった。 みぃくんの方を見ると、何も無かったようにスヤスヤと寝ていた。

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