5 / 5
引き返せない
(雅人-視点)
横にスースーと寝息をたてて寝ている、帝に雅人は愛おしそうに見つめる。
「大好きだよ…、みぃくん。」
みぃくんの綺麗で細い手を俺の手と絡める。
みぃくんが俺以外を視界に入れてる、他人の奴と話している、他人の奴に触れられている。それだけで、殺意が湧いてくる。俺の、俺だけのみぃくんなのに。
「発情期来たら、噛んであげるからね。」
みぃくんの首には無数のキスマークと、真っ赤な首輪が付いていて鎖がベッドと繋がっている。首元に触れると、ピクリと反応する。
あぁ…、全てが愛おしい。俺だけの…、俺だけの物(ペット)。絶対誰にも渡さない、俺からみぃくんを奪った奴は、散々痛めつけて殺してやる。
…ねぇ、みぃくん。俺はこんなにも好きだと言うのにッ、どうして…? どうして、みぃくんの瞳は俺を映さないの? みぃくんの綺麗な瞳に俺だけ写してよ。喜びも、悲しみも、怒りも、苦しさも…俺だけに見せろよッ!
「いっ…!!」
「あ、ごめん。みぃくん。」
つい感情的になって、みぃくんの手を絡めていた手に力が入ってしまった。
みぃくんの方を見ると、何も無かったようにスヤスヤと寝ていた。
ともだちにシェアしよう!