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1-3-1 少年王子は魔力チート王子と甘い夜を過ごす  ~ ※

side:リシェール  やっと国に帰って来れた…。  ジェイに捕まっていた場所はルキウス国内のジェイの家だったため、ロスは無く到着する事が出来た。  とにかく先にお風呂に入りたかったけど、用件が急ぎだって言うから仕方無い。  本来は別の要件だったらしいけど、それよりも重要な案件が出来たんだって。  急な事だとわかっているウェルナート様が、水魔法とかで一応綺麗にしてくれた。  頭を下げてお礼を言ったけど、本当は他にもっとお礼を言わなければならない事が山程ある。  後でしっかりお礼を言おう。  玉座の部屋に入る。  ウェルナート様も居る。  何やらウェルナート様にも用件があるらしい。  居なくなった国王両親の代わりに、王座に僕がひとまず座ることになる。  ん、あれ? 「サフィーニは?」  姿がみえなかった。 「リシェール王太子殿下!」  宰相の言葉でこの場に居る、ウェルナート様を除く全員が頭を下げてくる。  え、何どういう事?  思わずちらちらウェルナート様の方を見てしまう。  ウェルナート様は把握しているのか、怖い顔をしていた。 「話を!」  気になって仕方無いので促す。 「サフィーニ様がディンギ帝国に囚われました!」 「帝国……?」  って何処?と続けそうになったのを、口を押さえる事で堪える。  だってリシェールの記憶に無い。 「それで何故、助けない?」  知らないというボロを出さないように慎重に言葉を選ぶ。 「ディンギ帝国と言うと、闇の皇帝アレクシウスが居る、だな。」  闇って事は闇属性を持っているって事だよね?  やっぱりウェルナート様は知っていた、凄い方だな…。  じゃあ、何でリシェールは知らない? 「は、はい、ですので救出は最早諦めるしか無く…」  宰相がウェルナート様の言葉に安心したように早口で語る。 「どうして…っ!」  救出を諦めてしまうのかわからない。  続く言葉はウェルナート様に遮られる。 「アレクシウス皇帝は産まれた時に魔石を埋め込まれ、闇を吸って育ち、今では当時の神と変わらないぐらいの力を持っている。」  説明してくれるがよくわからない。 「リシェール王子、闇属性は聖属性しか効かない、だろ?」  正式な名前でウェルナート様が呼ぶのが新鮮に思えた、けどそういう状況ではない。  僕の言葉を遮ってくれたのは、知らなかったというボロを隠してくれたんだ……どうしよう、恩ばかりが溜まっていく。  そ、そういえば! 「せ、聖属性は……!」 「……ナザリの他に確認されてない。」  ウェルナート様の返事に絶望する。  だって唯一の使い手を殺したのは僕だ…。 「リシェール王子気にするな。ナザリはあの時点で既に穢れ切っていた。あの魔力は聖属性では無くなっていたと親父が言っていた。」  それでも可能性はあったのにと気が落ち込んでしまう。 「それで、誰も敵わないからサフィーニ王子は取り返すことが出来ない。自動的に最後の王族であるリシェール王子が国王になるしかない、だな。」  つまり、僕のことをウェルナート様に渡すわけにはいかない。  ウェルナート様への話ってこれか…。  サフィを見殺しになんて出来ない。  僕の光属性駄目なのかな?  あの時も結果的にどうにか出来たし…。  なんて考えてたら視線を感じてそちらを見ると、ウェルナート様が複雑な顔で見ている。  しばし言おうか迷うような素振りをして、ややあって口を開く。 「リシェール王子の光属性は、我が国の研究では『聖属性と同一のもの』と言われているが…。」  重鎮達が渋い顔をしていた。  知ってたらしい…何故僕には聞かされないのか…。 「リシェール王子に付与して貰えるならば、俺が先陣を切れると思う。」  ウェルナート様の言葉は嬉しいけど、皇帝に勝つ程の力が僕に引き出せるとは思えない。 「そんな事はさせられません!だったら私が出ます!」  重鎮達が止めに入る。 「なりません!リシェール様は最後の王族ですぞ!」  お立場とか言われると困る…。  でも……。 「もう…決めた。私が必ずサフィを取り戻す。そうすれば王族は居なくならない。」  数ヶ月だけど本当に弟が出来たようだった。  あの子が怖い目に合っているなら、早く助けたい!    他に案もなく、やりたくなくかったけれど『命令』でこの場を収めた。  きっとリシェールならこうしたから。  何はともあれ風呂を優先したい。  でもまずはウェルナート様にお礼だな。  着いて来てもらって本当に助かった。  …戦場には…出ないでもらおう。  それも言わなければと、ウェルナート様に使ってもらっている部屋をノックする。  名乗る前にすぐに開く扉。  ウェルナート様の顔を窺うと、優しく笑んでくれた。  色々な事があり過ぎて、何だかよく頭が回らない。 「は、入ってもいいですか?」 「待ってたよ。」  ああ、良かった。  ウェルナート様も話があったんだ。  部屋に入ると落ち着かなくてソワソワする。 「あの…長くなるようなら、また後で来ます。」 「何か用事か?」  何かさっき色々変な感じだったから話し辛い。 「お風呂に入って来ようと…。」 「風呂か。」  ふむ、と考えるウェルナート様。 「あ、では、また後で……っ!?」  退室しようとしたら抱き抱えられる。 「ウェルナート…様?」  何処へと聞く前に、ウェルナート様は近くに居た召し使いに風呂の場所を聞いてしまう。  もしかして…。 「一緒に入るぞ。」  だいぶ僕も察しがつくようになった?  僕は恥ずかしくて返事が出来なくて、赤くなってしまった顔を隠すようにウェルナート様に押し付ける。 「煽り癖直さないと後々後悔するぞ」  顔を動かしてウェルナート様を見ると、意外そうな顔で見ていた。 「こういうことだ。」  顔を近付けられてキスされる。  まだ廊下だった! 「ん…っ!」  人が来たらと思ったら焦ってしまい、キスを中断してもらおうと首を振る。  幸いすぐに離してくれた。 「だからこういう事になると話してる。好きな相手に煽られたら、止まるのは難しいと言いたい。」  少しだけ頬が赤くなっているウェルナート様。  そういえば告白してもらってた。  あの時は国事情もあったけど、何より僕自身がそういう意味でウェルナート様を好きだったのか、単なる憧れだったかわからなかった。  ぼーっとしててされちゃったけど、嫌じゃなかったんだ。  返事もしてないのに、常に助けてくれようとしている。  だから…… 「ウェルナート様は…まだ、貰ってくれますか…?」 「僕」とも「私」とも言えない。  僕が元の世界に戻ってしまったらリシェールはどうするかわからないから。 「もう離さない、リシェ…」  ウェルナート様はわかってるんじゃないのかな?  もしかするとリシェールって呼ばないのはそういう事なのかな。 「『僕』も……愛してます…っ!」  ジェイに捕らわれていた時……名前を思い浮かべただけで心が温かくなる気がしたから…。  うん、きっとこれでいいんだよね…。  ウェルナート様は黙って聞くと満足気な笑みを浮かべて向け、すぐに浴室にそのまま足を踏み入れた。  裸にされると浴室の床に横たえられた。  ウェルナート様も裸だ。  覚悟したのに恥ずかしいのと少しの恐怖で身体が震えてしまう。 「怖くしない、平気だ…。」  優しい声で落ち着かせるようにしながらのキスが降って来る。 「ん……うっ!」  僕の気持ちが変化したからか、荒々しさの無いキスなのに感じてしまう。  股間を押し付けるように動かしてしまうと、ウェルナート様のも硬くて、顔が自然に熱くなった。 「リシェも、キスで硬くなったな…。」  恥ずかし過ぎるけど、ウェルナート様が嬉しそうな顔をするから、恥ずかしい顔が逸らせない。  ウェルナート様が石鹸を手に取って手早く泡立てて、僕を洗いながら愛撫する。 「ふぁ…ぁぁんっ!」  僕もウェルナート様を洗わなきゃと思ってるのに、快感でどうしても手がお留守になってしまう。  ウェルナート様に何とか告げたら「また今度」と言われてしまった。  全身を這う手が気持ち良くて、洗ってもらってるのに下半身がびしょびしょなのがわかる。  ウェルナート様も気付いたようで、すぐに汁を出す僕自身を口に含み、吸い上げてしまう。 「ああっ!あ…んっ!もっと…吸ってぇ…っ!」  腰を仰け反らせて揺らしてしまう。  自分からねだってしまうのが恥ずかしくて思わず両手で顔を隠してしまう。  不意にウェルナート様が僕のモノを解放してしまった。  指の隙間からこっそりと窺うと、いきなり後孔に指が入って来る。  石鹸の泡が、僕の中に丁寧に塗りたくられていく。 「はぁ…っんん!きも…ちぃ…っ!もっと…ぉ!」  ウェルナート様の指が泡を使って、クルリと壁を掻き回す。  もっとして欲しくて、欲しがって腰がくねってしまう。 「…どんだけ…煽る気だ。」  ウェルナート様は指を引き抜きながらぼやく。  何を言われてるかわからない。  すぐにウェルナート様のモノが僕の中に入って来た。 「ひ…ぁあ……っん!おっ…きぃっ!うぇ…ぁと…さま…中…っ!」 「…これじゃ、止められないな…っ!」  ウェルナート様の息が荒く聞こえる。  自分の声が浴室中に響く。  自分の耳に直接聞こえてしまう。  後ろがひくひくしてウェルナート様を締め付けてしまう。 「あぁ…っ!うぇ…なぁと…さまぁ!き…す…して…くだ…!」  激しくなる突き上げの合間にどうにかお願いを眼差しに乗せて向ける。  響いてしまう声を塞いでほしい。 「っ!リシェ…馬鹿っ!今それは…っ!」  ウェルナート様が思い詰めたような顔をした後でガツガツとしこりを突き上げて来た。  僕がお願いしたとおりしっかり口を塞いで荒々しく舌を吸い上げながら。 「んっ!んんんーーーっっ!!」  喘ぎ声がウェルナート様に吸われる。  精液を自分の胸にまで届かせて吐き出すと、ウェルナート様が僕の中に放つ。  出されてると思うと、ぎゅっと後ろが強く締まってしまう。 「…っ!…全く、エロい嫁さんだ…。」  ウェルナート様が唇を放して低い声で呟く。  僕を見る眼差しが、ギラギラとした感じに変わった。  お、怒らせた?  繋がったままで僕の身体を引き上げてしまう。  背中に手を回すように言われたので、そのとおりにした。  そのまま、湯船に入れられてしまう。  寒かったかな?  すぐにウェルナート様は、僕の中を下から突き上げる始める。 「あ…っ…ふぁっ!お湯、がっ…中にっ!」  ただでさえ身体が熱いのに、中が温められてしまう。  気が付くと僕も腰を上下に振っていた。  ウェルナート様が僕の動きと逆になるように動くから、前立腺が必要以上に強く抉られる。 「イくっ…!イくぅ!うぇ…な…さま…ああっ!ぼくのなか…イって…ぇっ!」  恍惚の表情を浮かべてねだってしまう。  無我夢中でウェルナート様の背中を引っ掻いてしまう。  また後で謝る事が増えた。 「は…っ!そんなに誘いまくって、俺を殺す気か…っ!」  中が勝手にひくひく収縮して止まらない。  しこりががんがん攻められ、壁が擦り上げられてもうわけがわからない。 「んんっ!ふああぁっ!おっきいのが…きちゃうぅ!あっ…あっ!あああ――っ!!」  風呂場に嬌声を響かせて達し、ウェルナート様を強く締め上げる。  背中が弓なりに反る。 「…っ…!リシェ!リシェ!!」  ウェルナート様は一瞬だけ苦しそうに呻くと、何度も何度も名前を呼びながら中に放った。 「あっ…ああっ!でてる…っ!なかが…っ…きもちぃ…!」 「ああ…リシェの襞ひくひくして、俺に絡みついて来てるな…。」  突き上げが再開される。 「あああーっ!ぃ…おかし…くなっちゃ…ああっ!!」  中がまだ絶頂後で敏感になっていて、絶頂が止まらない。 「狂え…っ!リシェ、狂っちまえっ…!」 「ひあああ!あああーーっっ!!くるちゃ…あああっっ!!」  狂暴になったウェルナート様の攻め立てに何度も絶頂を迎えさせられた。  頭の中が真っ白になってしまう。  ウェルナート様が中で弾けて大量の精を僕に注いで果てるとほぼ同時に、意識が遠ざかってしまった…。  …熱い。  のぼせてしまいグッタリしてしまった僕を運び、ベッドに寝かせてくれたウェルナート様が、氷と水の魔法で介抱してくれた。

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