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1-2-6 閑話  ~ ※ 意識無し 

side:ジェイ 『…このような私でも、愛してくれるのですか?』 「うー、可愛い!マジ萌え!」  俺に甘い声で語り掛けて来るのは、金髪の可愛い男の子、リシェール。  但し画面越しだ。  そう、彼はゲームキャラ。  手を出したくても会えない…。  俺はゲーマーだけど、外では派手なタイプ『陽キャ』と呼ばれている。  髪も真っ赤にしてて見た目ゲームやってるとは思えないはず。  エッチだって週一で色んな子としてるしね。  だから性的な面では問題無い。  最近男同士とか流行ってるから、試しに始めたBL物だったけど、見事にはまってしまったわけ。  だけど1にハマらなかったんだよねー。  この可愛いリシェールには受けに回って欲しいなーって。  そしたら2で願いが叶っちゃった!  ソフトのβテスト版をオークションで手に入れた!  早速プレイ、学校は休んだ。  実は最近疲れてる。  陽キャは仮の姿だから、無理して笑って。  癒されたいーって思うじゃん?  さぁ、早速リシェールに癒してもらおう。  画面が出てすぐ、リシェールと会えそうな場所を選択。  リシェールのデータを見ると相変わらずなカリスマ値。  やっぱ輝いてるもんねー。  プレイしてると、選択肢を無意識に自分の事を選んでたのかもしれない。 『無理しないで、貴方は貴方らしく居て下さい。……私は、そんな貴方が…好きです…。』  ってリシェールに言われた…。  …びっくりした。  どう聞いても俺自身の事じゃない?  その瞬間から、完全にリシェールしか目に入らなくなった。  何度も何度だってプレイした。  やがて製品版が出ると隅から隅までプレイする。 「はぁ…っ、リシェール!」  自慰もリシェールでするようになった。 「…触れたいよ…リシェール…」  起きている間はゲームか自慰だった。  ろくに飯も取らないでそんなふうにしていたら、ある日意識が遠くなった。  目が覚めると外に居た。  外になんて居らんない、リシェールが待ってるんだから!  でも家の方向がわからない。  あれ、でも見た事ある景色?  すぐに気付いた、≪ロイヤル・ラブ≫の世界だ!  VRみたいにリアルだ!  もしかして、俺主人公じゃない?  ってことは、本当にリシェールに触れられる?  ゲームでは不満だった。 『ゲームの主人公じゃなく、俺自身の手でリシェールに触れたいのに』って。  ここはスタート地点だから、城に行こう。  リシェールとの選択肢を思い出しながら、繋いであった馬に乗る。  馬に乗った事なんてないのに、身体が勝手に覚えてた。  楽だねぇ…。  ルキウス城に入る。  俺は騎士だから勿論フリーパス。  ゲームでは今は入れないけど、玉座の間、リシェールの部屋などをこっそり覗いてみる。  居ない?  そんな筈……いつも必ず場内に居たのに! 「失礼します。」  俺はリシェールの弟の第二王子サフィーニに仕えてる。  だからそれを利用して部屋に入る。  何か聞き出せないかなって。 「どうしたの、ジェイ。」  ちなみにこの子も攻略キャラだけど、リシェール以外は機械的にクリアしてるから、あんま覚えてないんだよね。 「失礼ですが、リシェール王子は?」  他に用が無いのでドストレートに聞いてしまえ。  するとサフィーニは泣きそうな顔になる。 「あ、兄上は…ライナック王国に嫁ぐって…だから私が王に…私には王になるなんて無理で…」  余りの衝撃な事実に後半聞いてなかった。  リシェールはあの魔力チート野郎に、きっと無理矢理!  俺はすぐに行動に移すことにする。  取り返さないと!  この世界は主人公の物だもん! 「サフィーニ王子、兄君を取り戻しましょう!」 「えっ?」 「私は先行します!サフィーニ王子は急いでも半日ぐらい遅れますよね?」  軽い打ち合わせをしてライナックにすぐに向かう。  到着するとすぐに城内を探す。  この城のデータは余り覚えてないけど、もうすぐパーティーだって言ってたからパーティー会場を覗いて見ると、奥の方にあのいけすかないウェルナートが居た。  リシェールの姿は無い。  間近の偉そうな人に、リシェール王子の弟の遣いだと名乗ってリシェールの居場所を聞いた。  本当の事だし。  アイツと別行動の今が大チャンス!  リシェールがこれから来る客室に入り、辺りを確認してからポットに睡眠薬を仕込む。  この世界ではその辺に生えてる草で作れるから、簡単に手に入って助かる。  すぐに廊下に出て、入口で待機。  するとようやく…サラサラ金髪、紫の大きな瞳、真っ白な王子服で白いマントがたなびいて…ほ、本物だぁ!  興奮を抑えるの必死!  リシェールが足を止めて自分を見た!  微笑を浮かべて向けてくるリシェール。  反則級に可愛い!  近付かれて思わず生唾を飲む。 「サフィーニは?」  そうそう、当然だけど弟に仕えてるから、リシェールとは顔見知り設定だ。  胸をドキドキさせながら、今だけ騎士を演じる。 「先程お茶がお洋服にかかってしまい、お着替えに行かれて。すぐ戻るので待っていて欲しいとの事ですが……。」  リシェールは律儀だから、きっと待つはず。 「では、中で待たせてもらおう。」  よしっ!  扉を開けて中へ通す。  座ったリシェールにお茶を淹れる。  室内は王子達が使うからと、人払いしてある。  視界の端でリシェールがお茶を飲むのを確認すると、怪しまれないようにするために部屋を出る。  数分後、もう一度扉を開いて中を窺うと、リシェールがソファーに身を横たえていた。  中に入り扉を閉める。  すぐにリシェールの様子を窺う。  大丈夫、眠ってるだけ。  ちょっとだけファンタジー世界の薬とか、不安だったからねー。  すぐに初めてリシェールに触れてみた。  あったかくて柔らかいほっぺ…。  ゲームじゃなく直に触れてる…。  ずっと触っていたかったけど、ここは早く去らないと。  通り道に居た兵士や騎士を昏倒させていくのなんて簡単、主人公だしね。  リシェールは結局うちに運んだ。  隠し扉がある地下室もあるし。  サフィーニ以外は、リシェールと俺が接触してるのも知らないしね!  地下室のベッドにリシェールを降ろすと、サラサラの髪を撫でてみる。  キラキラして綺麗…。  またも、本当に居るんだと実感してしまう。  …本当の唇。  リシェールの唇を一度指でなぞってから、自分の唇で触れてみる。  ゲームとは違う、自分で触れられてる!  胸がバクバク言ってる!  俺はいつの間にか興奮して、勃起してた。  せっかくの扮装を汚すのはね。  そう考えて衣服を脱がしていく。  どれぐらいで意識が戻るんだろう?  脱がしてる間も俺の股間は脈打っている。  苦しいから俺自身だけを衣服から取り出した。  リシェールを全裸にすると隅々まで観察する。  もうすぐで、全部手に入る! 「ふは…っ、リシェール…綺麗だなぁ」  肌の匂いを嗅ぎながら下に視線を下ろしていく。  股間のモノは小さくて可愛い。  それから……俺とこの後繋がる場所。  もう、俺限界かも!  リシェールの下半身を抱えあげて両足を開脚させた。  今目が醒めてもいいな。  リシェールの後孔に先端をあてがう。 「リシェール…ぅ、可愛い!」  腰がつい動いてしまって狙いが定まらない。  ヤんの初めてでもないのに! 「うっ…!」  挿れる前に出ちゃた…。  リシェールの孔付近が俺の精液を浴びていやらしく濡れてる。 「はぁ…リシェール…エロいね。」  リシェールに掛けた汚れを舌でぬぐい取っていく。 「んっ……。」  孔に舌を這わせると、寝てても感じたのか、リシェールから僅かに声が漏れて、少しだけ身体がピクッと反応した。  それだけで興奮しちゃう俺。  これ以上は本当に挿れちゃうから今はやめとこう。  初めて繋がるのはちゃんと意識がある時だ。  どうにか留まった俺は、リシェールから身を放し、リシェールの身体を清拭する。  それを済ませると、鎖を上に掛ける。  吊るしても出来るだけ痛めつけないように、リシェールの両腕にそれぞれ手枷を付けて、それを上の鎖に繋ぐ。 「ちょっとだけ、御免ね。」  リシェールがどれぐらい魔法が使えるかわからないから、様子見するために手を封じさせてもらった。  逃がさない、絶対に…俺のなんだから。

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