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1-2-5 少年王子は続編の主人公に執着される  ~ ※ 体内放尿

side:リシェール 「リシェール、あーん。」  ベッドに身を横たえられて、イチゴがジェイに差し出される。  食べない意思を伝えるように不機嫌を露にした顔を背けた。  この攻防は、体感で小一時間ぐらい続いていた。 「食べないと、ほら、いっぱいしたから喉渇いてるでしょー?」  どうしてこんな事しておいてこんなにフレンドリーなのか…?  聞いたからと言って解放されるわけじゃないので聞かないけど。  そっぽを向いて視線を意地でも向けないでやる。  そうしていると、ジェイに顎を掴まれて口が無理矢理開かされて口が塞がれる。 「んっ!」  必死に顔を背けようとするけど、力の差は歴然で敵わない。  ジェイの口内の熱で温くなったイチゴが無理矢理喉まで詰め込まれてまう。  出そうと思ったのにそれを許さないとでも言うように、飲み込むまで口内が蹂躙される。  堪えきれない涙を流しながら、イチゴをこくりと飲み込む。 「ほら、最初から素直にしてれば、たくさん可愛がってあげるのに。」  勝ち誇った顔をされる。 何も言えなくなった僕は、一つだけどうしてもジェイに頼まなければならない事を言いあぐねていた。 生理現象だ。 ここに連れてこられてから半日は経ってるのでは? だんだん限界を感じた僕は、意を決して口を開く。 「と…トイレ……。」 「いいよ。」 変にニヤけるジェイにそう言われたが、ジェイは圧し掛かって来る。 「っ…!だから……。」 トイレに行かそうという気が感じられない為叫びそうになった。 「リシェールのおしっこするところ見たいなぁ。」 は?何だって?今とんでもない事を言われたような…。 「大丈夫、見てるから、して?」 何が大丈夫なのか全くわからないけど、そう言われて出来るわけが無い。 僕は出来る限り耐える事にする。 かなりギリギリだけど。 またそっぽを向く態度に戻す。 「そう来ると思ってたよ。」 あくまでも楽しそうなジェイが続けて口を開く。 「あーあ、せっかくさっき、こういう時に逆らっちゃうとどうなるか教えてあげたのに。」 邪悪な笑みを浮かべたジェイが、まだ両手首に嵌められたままだった手枷で、ベッドの頭上に僕の腕を一纏めに固定する。 う、動けない。 ちなみに当然昨日のまま、衣服は着せて貰えていない。 すぐにジェイは僕の股間に顔を埋めてしまう。  本当にさっき言ったとんでもない事をするつもりなのか?  冗談じゃない!  力の限り暴れる。  それしか出来る事が無い。 「無駄だよ、リシェール。」  僕の抵抗なんてものともしない様子で、僕自身を口に含んでしまうジェイ。 「やぁ…っ!」  ようやくジェイの目的がわかった。  刺激して本当に出させる気だ。 「ん、早く出してごらん?」 きつく先端辺りを吸引しながら、遠慮の無い手つきで僕の下腹部をやわやわと手で押してくる。 「や……っ…頼むから…といれ、行かせ…!」 尿意と同時に自身に熱を感じてしまう。 切羽詰まってお願いするけど聞いて貰えない。 「ほら、エッチなお汁の方が、正直だよ。」  そんな事を言われると、恥ずかしくて身を捩って逃げようと動いてしまう。  しゃぶられていたのから解放されると、すぐに手が添えられ荒く扱かれる。  今は関係ないはずの後ろまで、また油を付けられて弄り始められた。   尿意が半端ない。 「ああっ…!も、もう……出ちゃうぅ!」  恥ずかしいけど出してしまおう。  そう思ったらそれは叶わなかった。  ジェイは僕のモノを強く握り締めてしまう。 「あ…うぅ…っ!ださせ……てえぇ…!」  もう出したい一心で頼む。  するとジェイは更にとんでもない条件を出して来た。 「『リシェールの中にジェイのおしっこ飲ませて下さい。』ってお願いしてくれたら出させてあげる。」 「そんな……むりぃ…っ!むりぃっ!」  言えるわけがない。  ベッドに座ったジェイに下半身が抱えあげられる。  当然その間も僕自身への拘束は緩まらない。  そしてすぐ後孔にジェイが侵入して来た。 「ああ……ゃううっ!」 尿意と射精感、後肉壁への刺激に、どこへどうしていいのか全くわからなくなる。 「はあ……リシェールの中、俺のモノにまとわりついて来るよ。」  言われる言葉が上手く理解出来なくなっていく。  突き上げられ揺すられる度に尿意が強烈になってきて。 「だしたあ……ぃっ…!おねが……っ!」  もう必死だ。出したいし、後ろもキュンキュンしてしまっている。 「はあ、は…リシェールのここに何が欲しいんだっけ?言わないといつまでも出せないよ?」 激しいピストンと、封じられる尿意と射精感に抗えない。 「ふあぁっ!り……リシェールの中に…ぃ…ジェイのおしっこ…ぅ…飲ま……て…ぇ…くださ……ぃ」 「もう一回、もっと大きく声出して。声が小さくて全部聞き取れないよ。」 「…っ!ぅ……リシェールの中を…っ、ジェイのおしっこに使って下さ……い…っ!お願い…ぃ…だか…らぁ!!。」  こんな事一度だって言うの必死なのに、二度もとか酷い。  でももう色んな物を出したくて、尊厳をかなぐり捨てて要求に応じてしまい、卑猥な言葉を叫んでいた。 「よく出来ました。じゃあご希望通りに!ふっ…!」  戒めが解かれて、急速に体液が外へと向かう刺激や後ろに与えられる快感に、夢中で腰を振ってしまう。 「あああ…!出る、出るよぉ!もぉ……!」 「リシェール…はぁ!おしっこするところ、見てほしいよね!」 「あ…ぁっ!見て下さ…ぁ…い!リシェールがおしっこするとこ…んんっ!あああ――っ!!」  後ろも前も切なく感じる。  夢中で言葉を叫びながら射精と同時に放尿してしまった。  ジェイが動きを止めて見ているのがわかる。  言わされたとは言え自分で言ってしまったので、見ないでとも言えない。  ジェイは満足そうな顔で眺めながら、僕の精液や尿を指で掬って舐めるのを見せ付けるようにして視線を向けて来る。 「んー、美味しい。」  そんな様子から目を逸らそうとした時に、突き上げが再開された。 「すぐ…出しあげるから…ねっ!」  ガツガツと激しくしこりが突き上げられて、再び快楽に落とされる。 「ああっ!またイく…っ!イっちゃぁう!」 「はぁ…可愛い…ぅ、出るっ!」  呻き声の後、体内にジェイの精液がドクドクと勢いよく注がれた。  腰をびくつかせてそれを受け止める。  射精される感覚を感じていると、ジェイがブルッと震えた直後、僕の中に本当に放尿してきた。 「出て…るぅ!!りしぇーるの中におしっこ…ぁっ!出ちゃって…ぇっ!あああんんっ!!」  おしっこされて達してしまった。  幸いというか、『リシェール』と言わされた事で、僕の尊厳は守られた気がする。  でなければ絶望に堕ちていたかもしれない。 「ねぇ、リシェール。アイツ呼んでやったよ。」  二日程、あちこち撫で回されたり、着せ替えにされたり、『ゲームのリシェール』の台詞を言わされたりとすっかり玩具にされていた。  そんな時だった、いきなり言われた言葉が理解出来ない。  思わず首を傾げてしまう 「ほらアイツ、リシェールを勝手に自分の物にした魔力チートの。」  ウェルナート…様?  名前を頭に浮かべた瞬間安堵感が胸に広がる。  でもどういう事だろう。  ジェイの意図がわからない。 「これ見てこれ!」  ジェイが一振りの剣を見せてくる。 「この剣は『魔切りの剣』って言って、『魔力が強い相手に程大きいダメージを与える剣』でね、更に魔力を無効化する事が出来ちゃうんだ。あ、当然だけど光・聖・闇には効かないから安心してね。これでリシェールを間違って斬ったり出来ないからね。」  それって… …ウェルナート様が戦えない?  ここにそれで呼んだという事は…。 「アイツ殺すね。そうしないとリシェールはゲームの通りに俺を愛してくれないじゃん?」  僕もウェルナート様も、ジェイだってゲームのキャラじゃないのに、それが巧く説明出来ない。  暗い顔して黙っている僕を見てくるジェイの眼差しは灰の暗い。 「だからね、アイツはイレギュラーだから、この世界から追い出すのが正解なんだよ。」  僕だってイレギュラーだ。  顔から血の気が失われていき震えてしまう。  やはり『僕』はバレたらいけない。 「大丈夫だよリシェール。アイツ殺したら元通り幸せになろう。」  言われた言葉に身体が強張る。  怯えが止まらない。 「これは矯正力ってやつか?」  声に震えが一瞬止まる。 「ウェルナート…様っ。」  そう言えば今の僕はすっ裸でベッドに拘束されているままだった。  僕を見たウェルナート様の目が据わる。  ジェイは面白く無さそうな顔を浮かべてウェルナート様の顔を見るけど、すぐにおちゃらけるような笑顔になる。 「リシェールはほんとは俺のだから。」  言い切るジェイ。 「本当は?ああ、設定ってやつか。それを利用しないと好かれないなんて悲しいな。」  挑発するウェルナート様。  このままではウェルナート様が危ない。 「…やっぱ殺すね。」  挑発に乗って、例の剣を握ってウェルナート様に向けるジェイ。  ウェルナート様は全属性を秒でジェイにぶつけた。  直撃したように見えたけど…。  魔力が全くジェイの後ろに居る僕の所に届いていないって事は、僕を巻き込まないように手加減したんじゃ…。  発光や土煙が収まっていく。  立っていたジェイはボロボロで口から血も流しているが、楽しそうな笑みを浮かべている。  そして次の瞬間、ジェイは治癒魔法を使用する。 「光属性…」  思わず驚愕してしまう。  さすがにウェルナート様も動きを止めて佇む。 「ああ、平気平気。治癒しか使えないから。」  恐らくわざと自分の属性を見せつけた、どんなに強いのかって。  治癒を終えると、改めて剣を手にウェルナート様へと斬りかかっていくジェイ。  何の剣かわからなかったウェルナート様は防御魔法を展開しながらも出来るだけかわすようにしているため、今のところは当たっていないけど……時間の問題だよね。  どうしよう。  下手に動くと邪魔になる。  その時恐れていた事態が。  ウェルナート様の防壁をジェイの剣が掠めると防壁が消えた。 「成る程……」  眉を顰めるウェルナート様。 「あははっ!打つ手無しだ!」  ウェルナート様に剣を振り下ろそうと、ジェイは剣を大きく振り被る。  …今しか無い。  僕は自分に光を付与した。  足を出来るだけ伸ばして、力の限りに蹴りをジェイの剣目掛けて振り切って剣を破壊した。  『光属性に効かない剣』なら光で破壊出来るはずだって。  それにジェイは言っていた。 『これでリシェールを間違って斬ったり出来ないからね。』と…。  目論見通りに行ったけど、違ってたら足が無くなっていたかも……。 「リシェっ!」 「っ!リシェール!?だ、大丈夫だった!?」  驚きに目を瞠って僕を見るウェルナート様とジェイ。  ジェイが僕の方に手を伸ばそうとしたところで、魔力を回復させたウェルナート様が、木属性っぽい植物の蔦でジェイを拘束した。  ふぅ、どうにかなって良かった…。  安心の余りすぐに身体の力が抜けてしまう…。 「リシェール…どうして?ずっと一緒に居てくれるって……言ったのに…。」  ゲームでそんな事を言わされてるんだ…。  でもゲームを全く知らない僕には何を言ったら…。 「ここはゲームじゃない、構造はわからないが、俺リシェもプログラムではない。勿論お前も。だから各自が好きに動いて生きている。」  ウェルナート様は一呼吸置く。 「お前の自由はお前のものだが、リシェにはリシェの自由意思がある。だから全てお前の思い通りにするというのは無理だ。ここはそういう世界じゃない。」  ジェイは泣きそうな様子で考え込んでいた。  ウェルナート様が腕の拘束を解いてくれた。  上に兵を連れてきているらしいのでシーツじゃまずいと、ここに連れて来られた時の衣類を見つけて着せてくれた。  僕を横抱きに抱き上げると階段を昇っていく。  暗いと思ったら地下室だったのか…。  ウェルナート様は地上に着くと、待たせていた兵士にジェイの捕縛を命じていた。  根っからの悪い人では無いようだから少し複雑な思いだった……。

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