氷室は、手際良く優真のスラックスと下着を脱がせると、ぱくりとそれを咥えた。熱い口内に包まれれば、たまったものではない。舌と唇で数回嬲られただけで、優真はあっけなく達していた。 「――はっ……、はぁっ……」 　息を整えていると、すかさず脚を広げられた。優真自身が放ったものを、氷室は丁寧に、蕾に塗り込めていく。やがて、長い指が潜り込んできた。 「あっ……！　ああっ……、あっ……」 　氷室の指は、巧みに優真の内部をかき回し、ポイントを刺激する。あっという間に、二度目の限界が近づいてきた。 「あっ……、もう……」 　その時、不意に指が引き抜かれた。呆然と見上げれば、氷室はけろりと言った。 「まだイクなよ」 　氷室が優真の隣で、ごろりと仰向けになる。頭の後ろで腕を組みながら、彼は平然と告げた。 「俺のも舐めろ」 「――え」 「舐めて勃たせろってんだ。いつも、してやってるだろう？」 　意味を理解したとたん、優真はカッと顔が赤くなるのを感じた。しばしの逡巡の後、優真は覚悟を決めた。氷室が怖いからではない。純粋に、してあげようと思ったのだ。 （ずっと、助けてもらってばかりだった。何のお返しもできてないものな……） 　意を決して氷室のベルトに手をかければ、彼はふっと笑った。 「素直だな」 　片手が伸びてきて、くしゃくしゃ、と髪を撫でられる。優真は、震える手でどうにかベルトを外した。もたもたとスラックスを、下着を脱がせていく。