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第1話
朝5時。
スマホのアラーム音で目を覚ますと、すぐ横には大好きな人が眠っている。
毎日の事なのに、オレはいつもその顔を見るとドキドキしてしまう。
「繋先輩」
その名前を呼んだら、先輩はうーんと声を出して目を開いた。
少し赤みがかった、綺麗な瞳。
それがオレを見ると、すぐに細くなった。
「おはよ」
優しい笑顔がすぐ近くまできて、オレを抱きしめてくれる。
「うす……」
朝のランニングの前。
毎朝こうやって抱き合って、その鼓動を感じて、先輩のいい匂いをいっぱい吸い込んで幸せな気持ちになる。
これは当たり前じゃない。
もしかしたらいつか、近い未来に先輩が先に逝ってしまう日が来るのかもしれない。
そう思うと、オレは毎朝感謝の言葉を心の中で言っていた。
『今日も幸せな朝をありがとうございます』
って。
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