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「交換条件」
「オレのモノになるなら、ここでの生活は保証してやる。かわりに、お前、オレの好きにさせろよ」
「……っなんで……」
息が、上がって、熱い。
「っちょ……無理……1回、抜いて……」
腰、もぞ、と動かすと。面白そうな顔をしながらも、ルカが指を中から抜いてくれた。
抜かれる感覚に、ぞく、と震える。その感覚に耐えながら、どうしても聞きたい事を、聞いてみた。
「……どうしてオレに、こんな事、すんの?」
聞いたら、ルカは、クッと笑い出した。
「そんなの、マジで聞きてえ?――――……こんな欲に、ロクな理由なんかねえだろ」
「…………っ」
ロクな理由じゃないって何。
そんなのの為に、オレ、今から、衝撃の初体験をしなきゃいけないの?
「……まあしいて言うなら、さっき魔王に怯えて涙目だったお前見てたら、勃ちそうになって――――……連れてきたけど、隣に座ってても、泣かせたくてしょうがなかった、とか?」
……っほんっとにロクな事じゃなかった!!
ていうか、あんな態度で連れてこられて、こんな事になって、もし、好きだからとか言われても、全く信じられないから、だからいっそ、この理由を言われた方が、清々しいのかもしれない……。けど。
オレの泣き顔に、勃ちそうになった、て事……?
……わーん……変態勇者ーーー!!!!
「――――……欲しいと思ったもんは、手に入れるために動く。お前の世界がどうかしらねえけど、ここはそういう世界だ」
「――――……っ」
「明日戦って死ぬかもしれないのに、こんな類の事に、遠慮も我慢も必要ねえだろ」
「――――……」
いやいや、必要だろ、必要だと思う、絶対、明日死ぬにしたって……!
「……つか、お前が死んでも嫌なら、しねえけど。――――……薬使わなきゃ良かったな。ちょっと感じすぎなんだよな……」
そんな事を言いながら、ルカがオレの首筋に触れる。
ぞくん、として、震えてしまう。
ち、と舌打ちしてるが、そもそも、手渡されてたとは言え、飲ませたのは、自分じゃんかっ!
あ――――…… もう、だめだ、オレ。
体、疼くの――――……どうしようも、ない。
「……ルカ……オレ」
「ああ」
「……っもとに戻れるまではここで、死にたくない、から……あんたのものになる、から」
「――――……」
「……絶対、守ってくれる、なら」
もうオレここまできたら、絶対、今から、抱かれてしまうのだろうし。
――――……今オレの体が、それを、求めちゃってるのも分かるし。
なんかもう、熱くて。
……どうしようもないし。
……だとしたら。
かわりに、絶対、守ってもらう。 オレが、戻れるまで。
どうやったら戻れるのか分かんないけど。
次の瞬間、目が覚めたら、戻ってるとかもありえるけど。
でも、ここに来て、多分、体感的には、2時間位は経ってる。
てことは。すぐ帰れるかどうか確信もない。
…………っいいよもう。
……ルカのする事、悔しいけど、気持ち、良いし。
……夢の世界、体なんか、くれてやる。
そのかわり、戻れるまで、死なないように守ってもらうから。
そう思って言ったら、ルカはしばし、じっとオレを見つめた。それから、ふ、と笑う。
「は。生意気――――…… オレのものになるから、そのかわりに、守れって?」
「……じゃなきゃ、絶対、やだ」
ふーん、とか言いながら、なんか、ニヤニヤしてる。
「――――……いいぜ。そのかわり、マジで、オレのもんな?」
「……うん」
頷いた瞬間。
「交渉成立、な」
にや、と笑うルカは。
……なんか、ほんとに。壮絶に色っぽくて。
なんか――――……今の自分の発言を、一瞬にして後悔する位。ちょっと、怖い。
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